ケムリ研究室、新たな物語を紡ぐ
劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(通称KERA)と俳優の緒川たまきがタッグを組んだ演劇ユニット「ケムリ研究室」が、2026年の春に東京・シアタートラムで新作の上演が決まりました。アーティスティックな挑戦を続ける彼らの最新作を楽しみにしているファンは多いでしょう。
このユニットは2020年の旗揚げ以来、個性豊かな作品を次々に披露しています。感染症拡大の影響を受けた2020年には、ロマンティック・コメディ『べイジルタウンの女神』で幕を開け、その後も常に新しい試みを続けてきました。2021年には安部公房の名作『砂の女』を舞台化し、繊細で緻密な演出によって高く評価されました。この作品は、第29回読売演劇大賞で優秀作品賞を受賞し、緒川たまきの演技は多くの賞に輝きました。
その後の2023年には、異色の近未来SF劇『眠くなっちゃった』が登場し、視覚的な演出に力を入れることで新たな感動をもたらしました。それぞれの作品は、独自の世界観を築き上げるために、強力なスタッフと少数精鋭のキャストによって生み出されました。そして迎える2026年春、ケムリ研究室は新たなステージを設けます。
新作のテーマは「ナイーブな人たちの小さな物語」。これまで得意としていた映像効果やステージングを封印し、濃密な会話劇に焦点を当てることが特徴です。KERAと緒川たまきによる構想では、少し昔の日本家屋に住む兄妹が描かれています。公開された仮チラシからは、レトロでモダンな雰囲気が漂い、これまでとは異なる独自の手触りを提供してくれることでしょう。
出演者には、主宰の緒川たまきをはじめ、映画『ドールハウス』や舞台『A Numberー数』で存在感を発揮している瀬戸康史、兄の瀬戸康史との共演が実現する瀬戸さおり、話題沸騰中の清水伸、独特の存在感を持つ赤堀雅秋、数多くの作品に出演した実績のある萩原聖人、そして19年ぶりの舞台復帰となる鈴木慶一と、豪華かつ多彩なキャストが結集しました。
公演は東京にとどまらず、春の終わりには各地での巡演も予定されています。東京公演のチケットは2026年2月に一般発売される予定で、詳細な情報は随時キューブ公式サイトで公開されます。
ケムリ研究室がシアタートラムという小劇場の空間で創り出す「ナイーヴな人たちの小さな物語」、彼らの新たな挑戦にぜひご期待ください。