鈴木優人とBCJ、モーツァルトを携え初の欧州公演を実施

鈴木優人とバッハ・コレギウムが挑む新たな音楽の旅

バッハ・コレギウム・ジャパン（BCJ）の首席指揮者、鈴木優人が、2025年1月に自身初となる海外公演を開催します。この公演は、フランス、スペイン、ドイツ、オランダの7都市におよぶ欧州ツアーとして行われ、モーツァルト作品に焦点を当てた特別なプログラムが用意されています。

国際的な舞台への足跡

このツアーは、2024年のBBCプロムスでの成功に続くもので、鈴木優人がBCJを率いてのヨーロッパでの初めての公演となります。また、次世代への音楽的バトンタッチを象徴する重要なステップとも位置付けられています。特筆すべきは、鈴木優人が自ら補筆校訂した《レクイエムニ短調》の演奏が含まれている点です。この公演はモーツァルトの誕生日を記念したもので、深い意味を持ちます。

鈴木優人は「このツアーで《レクイエム》を演奏することは私にとって大きな名誉であり挑戦です」とコメントし、特に父・鈴木雅明との共演を心待ちにしています。これは、世代を超えた感動的な音楽体験が期待される瞬間です。

モーツァルト《レクイエム》の新解釈

鈴木優人による《レクイエム》補筆校訂版は、1960年に発見されたフーガの断片を加え、新たな可能性を提案しています。この改訂版は、2014年に鈴木雅明とBCJが録音し、BBCミュージックマガジンやグラモフォン誌から高い評価を受けており、演奏の具体的な洗練さが称賛されています。鈴木優人自身も、「私の補筆校訂版は《レクイエム》の最終形ではなく、演奏史に新たな選択肢を提供するものです」と語ります。

豪華なソリスト陣

ツアーには、2024年の公演でも共演したソプラノのキャロリン・サンプソン氏をはじめ、実力派のアルト、テノール、バス歌手が登場します。特に、テノールの吉田志門氏とバスのクリスティアン・イムラー氏は過去のツアーでの評価も高く、期待が寄せられています。

特別な公演が目白押し

パリ・フィルハーモニーでの過去の公演が完売したことから、再びパリでの演奏が企画され、早くもキャンセル待ちとなっています。また、オランダでは、鈴木優人にとって特別なルーツであるデン・ハーグでの公演も予定されており、彼自身にとっても意義深いものとなります。

ツアースケジュール

以下がツアーのスケジュールです。

- 1月21日(火)：パリ（フランス）
- 1月22日(水)：マドリッド（スペイン）
- 1月23日(木)：バルセロナ（スペイン）
- 1月24日(金)：トゥールーズ（フランス）
- 1月30日(木)：フローニンゲン（オランダ）
- 1月31日(金)：デュッセルドルフ（ドイツ）
- 2月1日(土)：デン・ハーグ（オランダ）

*プログラム前半：鈴木優人、後半：鈴木雅明

モーツァルト作品への新たな挑戦

ツアーでは、モーツァルトの交響曲第40番や、補筆校訂版の《レクイエムニ短調》を含む美しいプログラムが揃い、真の音楽の魅力を体験できます。

この公演を通じて、バッハ・コレギウム・ジャパンの35周年が華々しく祝われ、その音楽の旅が多くの人々に感動を与えることでしょう。鈴木優人とBCJの新しい挑戦に、ぜひご注目ください。