アイヌ文化の追求と共生を目指すウポポイ特別公演「イノミ」
2025年3月5日(水)、恵比寿のザ・ガーデンホールにおいて、アイヌ民族の伝統芸能を深く知ることができる特別公演が開催されます。この公演は、公益財団法人アイヌ民族文化財団が運営するウポポイ(民族共生象徴空間)の一環で、アイヌ民族の儀礼「イヨマンテ」に触れ、独自の歌と踊りを楽しむことができる貴重な機会です。
公演の概要
新年の始まりを祝うように、2025年1月6日(月)から観覧申込が開始されます。観覧は無料で、約700席を用意しており、先着順となるため、早めの申し込みが推奨されています。公演の内容は、「カムイとアイヌの物語」という特別講演の後に続く「イノミ」の上演で構成されています。昼の部は13:00から、夜の部は18:00からの2回開催される予定です。
特別講演「カムイとアイヌの物語」
第1部目では、中川裕氏とウポポイPRアンバサダーである俳優・山田杏奈氏が登壇し、アイヌ文化についての対談を行います。この講演を通じて、来場者はアイヌ民族の精神や文化に触れ、次の「イノミ」のパフォーマンスをより深く理解できるようになります。
千葉大学名誉教授であり、アイヌ語やアイヌ文化の研究者。日本の文学や文化に多くの貢献をしています。特に「ゴールデンカムイ」などの作品でアイヌ文化の監修を行うなど、幅広い範囲でアイヌ文化を普及させる役割を担っています。
「ミスミソウ」で映画初主演を果たし、その後多数のテレビ作品やCMに出演。実写版「ゴールデンカムイ」シリーズではヒロイン役を務め、アイヌ文化に掲げた強い責任感を持っています。彼女の経験を通じて、参加者はアイヌ文化の魅力に引き込まれることでしょう。
伝統芸能上演「イノミ」
第2部では、アイヌ民族の特有の世界観を表現する「イノミ」が上演されます。この演目は、アイヌ民族の美しい歌と踊りを通じて、カムイと呼ばれる神々と人間との関わりを表現します。アイヌ文化における「イヨマンテ」(熊の霊送りの儀礼)は、この公演の中心要素であり、観客はその神秘的な儀式を体感できます。特に熊の存在は、アイヌにとって重要なカムイとして崇められ、その肉や毛皮はかつて強く結び付いていたことを思い起こさせます。
体験型ブースと展示
公演の前には、ホワイエにて「イヨマンテ」をテーマにした展示や体験ブースが用意されており、アイヌ文化を五感で体験することができます。工芸品の展示や、アイヌ語特別ブースも設けられており、入場者は実際にアイヌの歴史や文化を感じながら学ぶことができる絶好の機会です。特にインタラクティブな展示ボードや没入型シアターで、参加者はより豊かな体験を享受することができます。
ウポポイの役割と今後の展望
2020年にオープンしたウポポイは、アイヌ文化や歴史の復興と創造を目的とし、国立アイヌ民族博物館などが併設されています。これからも、ウポポイはアイヌ文化の普及と理解を進め、人々が触れ合う場としての役割を果たしていくことが期待されています。今回の特別公演「イノミ」を通じて、さらなる関心と理解が広がることを願っています。
公式ウェブサイト:
ウポポイ