一枚の布から生まれた革新的な服、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの新作が登場

一枚の布から生まれた革新の服

2023年のミラノデザインウィークで、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEとNature Architectsが共同開発した「TYPE-V Nature Architects project」が発表されました。このプロジェクトでは、一枚の布を熱で立体化する新しい服を製品化し、その革新性に注目が集まっています。

プロジェクトの背景と目指すもの

Nature Architects株式会社は、「TYPE-V Nature Architects project」を通じて、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの先進的な製造方法に、自社の最新デザインソリューションを融合させました。この革新的な試みは、服づくりを根本から変えるポテンシャルを秘めています。プロジェクトの初期段階では、熱を加えることで布が収縮し、立体的な形状を形成するプロトタイプが公開され、大きな反響を呼びました。

Steam Stretch技術の魅力

「TYPE-V」は、特に注目されるSteam Stretch技術を駆使しており、これにより複雑なプリーツのデザインが実現可能となります。高温の蒸気を当てることによって布が瞬時に立体的なフォルムへと変化し、従来の縫製プロセスを大幅に簡略化しました。これにより、デザインの自由度が増し、より創造的なアプローチが可能になっています。

事例としてのブルゾン

新たに発売されるブルゾンは、複雑な造形を実現するために折紙工学を用いた設計プラットフォーム「Crane」を活用しています。このプラットフォームは、布の収縮パターンを計算し、スムーズな立体に変形させる自動生成機能を備えています。ブルゾンのデザインは、三角形の間に施された折りひだにより、ストレッチ性に優れた着心地を実現しています。

進化したアルゴリズム

2023年のミラノで紹介されたジャケットモデルから進化した新しいアルゴリズムは、ひだの幅を一定に保ちながら、本数でグラデーションをつけることで、特定の形状を正確に作り上げることができるようになりました。これにより、製品化への道が開かれ、実用性とデザイン性を両立した服が誕生しました。

未来への展望

A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、異なる分野との協業を通じて新しいものづくりの可能性を探求し続けます。デザイナーの宮前義之氏は、このプロジェクトが「一枚の布」のイノベーションを実現する試みであると語っています。プロダクトは、視覚的にも動的にも魅力的で、着る人の動きに反応するようなダイナミックなフォルムが特徴です。

今後、この「TYPE-V Nature Architects project」の進化に期待しつつ、現代の衣服の在り方を問い続ける姿勢が求められるでしょう。