三線文化とMECENAT
2025-07-17 11:38:07

沖縄三線文化継承プロジェクトが『This is MECENAT 2025』に認定されました

沖縄三線文化継承プロジェクトが認定された理由



このたび、ヤマハ株式会社が参加する「沖縄三線文化継承プロジェクト―技術貢献と共創―」が公益社団法人企業メセナ協議会の『This is MECENAT 2025』に認定されました。このプロジェクトは、沖縄県三線製作事業協同組合などが中心となって推進されています。この認定を受けたことで、三線の文化をより広く知らしめ、継承するための活動が一層進むことが期待されています。

プロジェクトの概要



沖縄の文化を支える三線は、琉球大学、沖縄県立芸術大学、沖縄県立博物館・美術館といった大学や文化機関、さらには東京文化財研究所のアドバイザーが参加しています。これらの団体が協力し、三線に関するさまざまな課題に対して、材料や楽器の特性、感覚、技能、表現といったテーマを多角的に検討しています。特に、『This is MECENAT 2025』で評価されたのは、モノ(楽器)とヒト(感性)の融合を目指す研究への取り組みでした。

This is MECENATとは?



『This is MECENAT』は、企業が行う文化や芸術に関する活動を審査し、認定する制度です。これは企業メセナ活動の意義を示すために2014年に設立されました。認定されたプロジェクトにはメセナマークが授与され、公式サイトに掲載されます。メセナの活動は芸術文化の支援にとどまらず、環境や福祉、地域活性化など、さまざまな社会課題に対応しています。

プロジェクトが目指すもの



沖縄の三線には多くの課題があります。特に、職人の減少や安価な海外製品の浮上により、伝統的な三線の生産が脅かされています。加えて、三線の重要な材料である黒檀の資源が枯渇していることも深刻です。これらの問題に対処するため、三線組合が科学的なアプローチでの多様な研究を行うプロジェクトが立ち上がり、ヤマハも技術支援を通じて参加しています。

2025年の活動計画



このプロジェクトは研究中心のアプローチを採っていますが、得られた成果を社会に実装することも重要視しています。今年度は特に以下の2つのテーマに力を入れる予定です。

1. 新素材による三線パーツの製作
新素材を利用した三線パーツ製作を試みます。これにより、資源枯渇への対策だけでなく、高度な職人技術の後継育成にもつながると期待しています。

2. レクチャーコンサートの開催
沖縄の伝統文化や三線の魅力を広めるためのレクチャーコンサートを2026年3月に予定しており、実演を通じて文化の継承を発信します。

これまでの主な活動



プロジェクトとして進めてきたこれまでの活動には、以下の3つの研究が含まれます。

1. 木材の物性調査
三線の材料である黒檀の資源の枯渇を解決するため、さまざまな樹種の特性を調査しています。これにより、適切な材料の特定を目指しています。

2. 三線の振る舞いの可視化
楽器の挙動を科学的に明らかにして、製作基準や技能を可視化することを目指しています。

3. 音色の表現語調査
音色や演奏に対する共通認識を構築し、演奏者と職人のコミュニケーションを円滑にするための表現語を整理しています。

これらの取り組みを通じ、三線の文化を守り、継承していくことが大切だと考えています。今後もこのプロジェクトを通じて、次世代へ文化をつなぐ活動に注力してまいります。


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