村井良大が挑むフィリップ・リドリーの一人芝居『ザ・ポルターガイスト』再始動

村井良大がフィリップ・リドリーの一人芝居『ザ・ポルターガイスト』に挑戦

昨年の公演が中止となったフィリップ・リドリー作『ザ・ポルターガイスト』が、村井良大を新キャストに迎えついに再始動します。この作品で村井は、初めて本格的な一人芝居に挑むこととなります。彼は幅広いジャンルでの経験を生かし、11人の登場人物を一手に演じるという難しい役割を担います。物語は、主人公であるサーシャとその周囲の人々との複雑な関係を描いており、彼らの心の動きや葛藤を鋭く表現します。

サーシャは、もともとは期待されていた若き画家。しかし、時間が経つにつれて彼は世間から忘れ去られ、古びたアパートで静かに生活することになりました。彼の心の中には、過去の栄光と現実とのギャップが存在しています。幼い姪が5歳の誕生日を迎えたことで、久しぶりに集まる家族や古い友人との会話が、彼の隠された感情を刺激します。この物語では、記憶の食い違いや無神経な言葉がサーシャに与える影響が描かれています。

芸術家としての葛藤と再生

本作のテーマは、希望です。フィリップ・リドリーの作品はしばしば残酷さと美しさが同居することが特徴ですが、本作はサーシャの成長物語としても捉えられます。舞台上での彼の苦悩や再生に至る過程は、観客に深い共鳴をもたらすでしょう。

村井良大は、このプロジェクトに対し「自分の芝居の総決算」という感覚を持って臨んでいます。彼は一人芝居の原点は落語にあると述べ、多様なキャラクターを演じることに意義を感じています。演出を担当する村井雄は、コロナ禍での隔絶をテーマにした内容を通し、自らを見つめ直すことの重要性を示唆しています。観客は、サーシャの物語を通して、孤独の中での思索や自己発見がもたらす可能性に気づくことができるでしょう。

迫力ある舞台とキャストの紹介

『ザ・ポルターガイスト』では、村井良大が主人公のサーシャを演じ、彼に関わる多様なキャラクターを見事に演じ分けます。この作品は、彼のキャリアにおける新たな挑戦であり、これまで以上の表現力が求められるでしょう。キャストとしてサーシャのパートナーであるチェットなど、多彩なキャラクターが展開され、緊張感のあるサスペンスが演出されます。

この一人芝居は、2025年9月14日から21日まで、下北沢の本多劇場で上演されます。チケットは全席指定で、一般前売は7月19日から開始。若年層向けの特別価格も設けられ、多くの観客に楽しんでもらえる機会を提供しています。アフタートークの日も用意されており、観客との交流も期待されています。

ぜひ、村井良大が届ける一人芝居の魅力で新たな舞台体験を味わってください。私たちと共に、希望と痛みが共存する物語の深淵を探りましょう。