甲斐バンドが語る日本ロックの先駆者たちの軌跡
今年、名実ともに日本のロックシーンの重鎮として君臨する甲斐バンドが、デビュー50周年を迎えました。この節目を記念して、WOWOWでは彼らの歴史を掘り下げたドキュメンタリー『甲斐バンド論』の放送が決定。さらに、関係者たちの貴重な証言も交え、彼らの軌跡を振り返る内容となっています。
1970年代から80年代にかけて、甲斐バンドは日本のロックが一般に受け入れられる以前、独自の道を切り開いてきました。直面した数々の試練にも怯むことなく、箱根や新宿など前例のない大規模コンサートを開催してきた彼らの姿勢は、当時の常識に抗う抜群の勇気を示しています。特に、世界的エンジニアであるボブ・クリアマウンテンとのコラボレーションにより、高品質な音楽制作に挑む姿勢は今に引き継がれ、後続のミュージシャンたちに多大な影響を与えました。
昨年のデビュー50周年を記念して、彼らは記念プロジェクトを展開しました。ライブハウスでのサーキットや全国各地のホールツアーを通じて、ファンとの絆を深めながら、新たなオリジナルアルバム『ノワール・ミッドナイト』を発表。このアルバムには、セルフカバーや11年ぶりの新曲、故大森信和の遺作「RINGS」も収録されており、ストーリー性のある映像が見えるかのような楽曲が話題を集めました。そして、このプロジェクトの集大成として、11月8日に日本武道館で行われる公演「甲斐バンド 50TH ANNIVERSARY 100万$ナイト」は、すでにチケットが完売し、熱気が高まっています。
さて、最新ドキュメンタリー『甲斐バンド論』は、彼らのアニバーサリーツアーに密着し、その活動を映像として記録するだけでなく、バンドの歴史やメンバー、関係者の貴重な言葉を通じて、彼らの音楽が持つ魅力を掘り下げています。甲斐よしひろや松藤英男、田中一郎といったメンバーが語る過去のエピソードはもちろん、サポートメンバーや音楽評論家、漫画家など、多岐にわたる証言も多数紹介されています。
この番組では、甲斐バンドの音楽に関連したさまざまなテーマが語られ、彼らの楽曲が抱える「都市の野性」や「物語性」など、音楽性の本質に迫る内容も魅力の一つです。また、彼らが挑んできた伝説のライブの数々や、オリジナルメンバーを失った悲しみ、そして新たに加わったメンバーと共に形作られる楽曲の進化についても深い考察が示されます。
加えて、彼らの50年にわたる歴史を振り返る中で、聴く者それぞれが持つ独自の「甲斐バンド論」にも言及。そのすべてが、この番組に詰まっています。これを機に、音楽好きの新世代も必見の内容です。次回のドキュメンタリー放送後には、SNSでまた新たな議論が巻き起こることでしょう。
この番組が放送される10月19日から11月8日までの期間は、彼らの音楽にどのような新たな風をもたらすのか、ファンとしても見逃せない瞬間です。甲斐バンドが歩んできた道のり、そして未来へのビジョンを、ぜひとも堪能してほしいと思います。