オンワードの働き方改革が生み出した成果と今後の展望

株式会社オンワードホールディングスが進める「働き方デザイン」という名のプロジェクトは、2019年8月から始まり、社員の生産性を向上させることを目指しています。この改革の成果は2024年度において顕著に現れ、特に女性管理職の割合や離職率の改善が注目されています。管理職に占める女性の比率は31.1％を超え、離職率はなんと5.7％まで低下。この数値は、国の平均12.1％と比較しても大きく下回るものです。

働き方改革の具体的な取り組み

メンター制度の導入

メンター制度は、経験豊かな先輩社員が後輩社員のキャリア形成を手助けするプログラムです。オンワード樫山においては、2022年度から開始され、約30名のメンティが参加しています。月2回のメンタリングを通じて、メンティは自身の成長を実感し、先輩の知見を間近で学ぶ機会を得ています。この制度は、チャコット株式会社や大和、アイランドなどの他社にも展開され、広がりを見せています。

実際に参加したメンティからは、「経営層の考えを直に聞けることで視野が広がった」といった声が寄せられています。これにより、経営への理解が深まったり、自身のキャリアに対する意識が高まったりする効果があるようです。

ダイアログセッションの実施

また、ダイアログセッションでは、経営陣と管理職が対話形式でダイバーシティ推進に関する課題を共有しています。このセッションを通じて、経営理念に基づくイノベーションの促進が図られ、「VOICE UP! ONWARD」と呼ばれる新たな業務効率化の仕組みも生まれました。

「カエル会議」の成果

株式会社オンワードコーポレートデザインでは、従業員の働きがいを高めるための「カエル会議」が始まりました。この会議では、各チームがプライベートと仕事の両立を目指し、業務の効率化を図っています。その結果、残業時間を平均で19％削減するなどの具体的な成果がもたらされました。

例えば、ユニフォームセールス部門では役割分担表を作成することで業務の属人化を解消し、チーム内でアイデアを出しやすい環境を整えました。インサイトセールス部門では、マニュアル化が進められ、業務の効率化だけでなく、若手社員とベテラン社員の知識の共有が促進されました。

今後の展望

オンワードグループは、今後も「働き方デザイン」の理念をもとに、多様化する市場ニーズに応えるための組織改革を進めていきます。特に、「社員の多様な個性を活かしたお客様中心の経営」を実現することに注力し、さらなる業務改善や個人の成長を支援する取り組みを拡大する方針です。

外部からの評価

この取り組みは外部からも高く評価されています。「D&I AWARD 2024」では最高ランクの「ベストワークプレイス」に2年連続で認定されるなど、企業としての社会的責任も果たしています。加えて、「マイナビ転職BEST VALUE AWARD」のアワード大賞や「キャリアオーナーシップ経営 AWARD 2025」の優秀賞を受賞し、その成果は日々実を結んでいます。