毎週水曜日の夜10時から放送されるBS日テレの「冨永愛の伝統to未来」では、文化と伝統の継承をテーマにした素晴らしい旅が展開されています。2023年5月21日の放送では、モデルであり文化人でもある冨永愛が京都に位置する日本最古の絵の具店「上羽絵惣」を訪問し、長い歴史を持つ絵の具の秘密に迫ります。
日本最古の絵の具店、上羽絵惣の歴史
「上羽絵惣」は江戸時代後期に創業し、現在でも1200色以上の伝統色を取り扱っていることで知られています。伊藤若沖や円山応挙といった巨匠たちが活躍した時代から続くこの店の技法は、今でも受け継がれています。長年にわたり受け継がれてきた色彩技術と、その背後にある物語に、冨永は感動する場面が多数見受けられました。
絵の具「胡粉」の秘密
上羽絵惣の中でも特に注目されるのが、「胡粉」という白色絵の具です。これは日本画の下塗りやさまざまな顔料と混ぜて用いられ、壁画や雛人形、さらには日光東照宮の下塗りにも使用されています。特筆すべきは、その製造プロセスです。
稲土舞夕子さんが説明するように、胡粉の元となる貝殻は、特定の条件下で約10年もの歳月をかけて風化させられるのです。冨永もこの長いプロセスに驚きを隠せませんでした。
元々は牡蠣の貝殻を用いていましたが、今では純度の高い北海道産のホタテ貝殻が使われています。一度貝殻は細かく砕かれ、いくつかの手順を経て美しい胡粉が誕生します。胡粉が完成するまでの時間は計り知れませんが、これこそが日本の伝統技術の威力です。
新しい挑戦、「胡粉ネイル」
長きにわたる伝統を守る一方で、日本画を描く人が減りつつある現代。その中で上羽絵惣は「胡粉ネイル」なる新商品を開発しました。刺激臭が少なく、落とす際にも除光液を必要としないため、子どもや妊婦、病気を抱える方々にも優しいと評判です。
新商品の開発を通じ、未来の色彩文化を継承するための試みが続いています。番組の中では、冨永が新彩岩絵具の作り方を見学し、さまざまな色の歴史や名称の由来を聞くシーンもありました。
終わりに
267年という歴史を有する上羽絵惣ですが、直面する課題も多い現代。その中で、伝統を未来に紡ぐ姿勢を示す「冨永愛の伝統to未来」は、毎週水曜日の夜10時からBS日テレで放送中です。この訪問を通じて、冨永愛自身がどのように伝統文化に触れ、感じたのかをぜひお見逃しなく。また、番組の公式SNSでは、ロケ中の貴重なオフショットも配信されていますので、ファンの方々は要チェックです!