作曲家・小野貴光の新刊『作曲という名の戦場』の魅力
作曲家としての才能を持ち、数多くのヒット曲を世に送り出している小野貴光さん。彼のエッセイ『作曲という名の戦場』が、幻冬舎から2025年11月6日に発売される。この本は、彼の作曲術や仕事に対する考え方、そしてその道のりについての赤裸々な記録である。
驚くべき職業の実情と半生
本書では、小野さんが作曲家として歩んできた波乱万丈の人生が綴られている。小野さんは、宮城県で生まれ、秋田市で育った。中学1年生の頃には、小室哲哉さんの楽曲に触れ、作曲家としての道を志すようになった。16歳で高校を自主退学し、単身で上京。彼は作曲家になるために、10年以上の下積みを経験し、30歳で独立して自らの楽曲制作会社を設立した。
作曲家の仕事は、ほとんどが楽曲コンペへの応募曲を書くことから成り立っている。そのため、曲が採用されなければ報酬が得られない厳しい世界であることも、彼のエッセイにより明らかとなっている。収入面での苦労や、作品を作る上でのストレスも、本書を通じて読者に伝わる。
メロディーの先にあるもの
小野さんは「いい曲とは何か」「いいメロディとは何か」という問いに対する自身の考えをもとに、作曲術を詳述している。また、最近のAIによる楽曲制作についても自身の見解を述べている。これにより、読者は彼が考える作曲の本質に触れることができる。
表舞台に立たなかった理由
小野さんは、これまでSNSを一切利用せず、メディアへの露出も控えていた。作品の数が多いために、時には彼を複数の作曲家が集まったグループと誤解されることもあった。しかし、本書の発表を機に、彼はついに顔を公にすることを決意し、音楽界の大先輩である小室哲哉氏との特別対談も実現した。この貴重な対談の様子は、雑誌「GOETHE」12月号にも掲載される予定だ。
読者に向けたメッセージ
小野さんは自身の書籍に対し、音楽制作の現場のリアルを伝えたいという思いを持って筆をとったと語る。作曲を志す若者や、クリエイティブな職業に携わる人々に向けたメッセージが込められている。
推薦文の寄稿
さらに、この本には著名な声優たちからの推薦文も寄せられている。内田雄馬さんは、「戦友の人生を辿る一冊」と評し、千葉翔也さんは「音楽の背後にある作家の努力を知ってほしい」と述べている。こうした声からも、小野さんの存在がいかに多くの人に影響を与えているかが伺える。
結論
小野貴光さんのエッセイ『作曲という名の戦場』は、作曲家という過酷な職業の裏側や、彼自身の執念と努力が描かれた作品であり、多くの読者に新たな視点を提供してくれる一冊となるだろう。音楽好きの方はもちろん、人生や仕事に悩むすべての人にとって、勇気をもらえる内容が詰まっている。ぜひ手に取って、その世界を覗いてみてほしい。