AI接客サービス「Co店長」で飲食業界に新たな風を吹き込む

AI接客サービス「Co店長」の導入背景

飲食業界は、デジタル化の波により顧客体験の向上を求められています。株式会社KMSは、すかいらーくグループと共に、AI接客サービス「Co店長」を開発し、これをガスト秋葉原店に導入しました。このサービスは、Microsoftが提供する「Azure OpenAI Service」を活用し、飲食業界の課題を解決することを目的としています。

KMSのAI事業

KMSはゲーム開発のノウハウを生かし、各業界が抱える特有の問題を解決するためにAIを活用しています。UI（ユーザーインターフェース）、Development（開発・運営力）、UX（ユーザー体験）の3つの要素が相互に作用することで、顧客が利用しやすい環境を構築し、業務の効率化を図っています。

デジタル化の進展

すかいらーくグループでは、デジタルメニューブックやネコ型配膳ロボットを導入しており、ITを活用した業務効率の向上に努めてきました。しかし、これに伴い、店舗クルーと顧客との接触が減少するという新たな課題が浮上しました。KMSはこのギャップを埋めるため、「Co店長」プロジェクトを開始。人間の接客をAIが補完する形で、顧客体験を向上させました。

「Co店長」の特徴

「Co店長」は、来店客との対話を可能にするデジタルメニュータブレットを通じて、スムーズな注文をサポートします。AIが学習した情報とガストのメニューデータを結びつけることで、おすすめ商品の提示も実現しています。2024年3月からはシステム構築が始まり、AIが提供する機能が強化されていきます。AIロボは親しみやすさを演出し、リピーターも生まれるような会話体験を作り出しています。

実際の効果

顧客との会話において、AIが丁寧な交流を実現できるようになり、来店客からは感謝の言葉やニックネームでの呼びかけといった心の交流が図られています。しかし、顧客体験の向上についてはまだ評価の段階であり、さらなる実証が期待されます。

また、実店舗でのAIの活用は、新たな発見につながり、社員からの新しい活用提案が寄せられることもあります。特に、厨房業務に関する活用提案があり、今後は厨房用のAIロボ開発も進められるでしょう。