ベルギーの時計ブランド、レッセンスが新たに発表したモデル「TYPE 9 IKE」は、工藝美術家の池田晃将氏とのコラボレーションによって誕生しました。2026年3月初旬に発売されるこの限定モデルは、ただの時計という枠を超えたアートとしての価値を持っています。デザインはレッセンスの特長であるミニマルさを基にしており、池田氏が巧みに漆を重ね、高品質の真珠母貝を使用することで、近未来的な世界観を見事に表現しています。
この時計は、レッセンスが採用している独特の回転式文字盤と、池田氏の持つ伝統的な技術が見事な調和をもって融合されています。モデル名の「TYPE 9」は、レッセンスの根幹となるモデルを指し、時間を簡潔に読み取るという力を具現化しています。池田氏が示す鮮やかで精巧な表現が、この時計に新たな命を吹き込んでいます。
創設者のベノワ・ミンティエンスは「初めて池田氏の作品を見たとき、伝統と未来が交差する美しさに心を奪われました」と語り、その作品が持つ文化的な深さと独自性を強調しました。世界限定8本の「TYPE 9 IKE」は、ただの道具ではなく、観る人々に強い印象を与え、過去と未来を結ぶ架け橋となっているのです。
池田氏は、「この時計は過去と未来が共存する逆説的な表現を感じ取ってもらえることでしょう」と話し、創作の起点となったのは「地動説」のコンセプトだと明かします。宇宙や銀河系をイメージし、当時の有識者との対立を時計に込めたこの作品は、美術的な価値だけでなく、歴史的背景も持っています。
制作過程も非常に挑戦的でした。螺鈿の技術を曲面に適用するのは困難で、真珠母貝を薄くして扱うための方法を新たに確立。これにより、特殊な曲面に美しく沿う形状を実現したのです。
「TYPE 9 IKE」は、黒いDLCコーティングが施されたチタニウム製ケースで、光によりさまざまな輝きを放つデザインが特徴です。さらに、ケースバックには池田氏のサインが刻まれ、所有者にとって特別な一品となるでしょう。
今回の発売に関して、取り扱い店舗は伊勢丹新宿店、ISHIDA表参道、アイアイイスズ本店などが予定されています。レッセンスは、2010年に創業し、現行の機械式時計の枠を打破する革新を続けてきました。多様な機能とスタイルの融合が、時計愛好家のみならず、多くの人々に新たな体験をもたらすことが期待されます。
今後の展開にも大いに注目が集まります。