タグ・ホイヤーが魅せる宇宙のリズムを描いた新作カレラ アストロノマー
スイスの高級時計メーカー、タグ・ホイヤーは、9月4日にスイス・ジュネーブで開催されたGeneva Watch Days 2025にて新たなコレクション「タグ・ホイヤー カレラ アストロノマー」を発表しました。この時計は、宇宙と天文学にインスパイアを受けたもので、そのデザインは現代的な解釈と革新的な技術を融合させながら、過去の偉業を称賛するものとなっています。
新たな時代の幕開け
「タグ・ホイヤー カレラ」は、モーターレーシングやセーリングなど、様々な分野でその性能を発揮してきました。新作「アストロノマー」は、宇宙探査の精神を取り入れた、新しい章を切り開く時計です。この時計は、クリアで精密なムーンフェイズ表示を特徴としており、宇宙のリズムに対する深い敬意を表しています。
過去を振り返ると、1962年には宇宙飛行士のジョン・グレンが特別仕様の「ホイヤー 2915A」ストップウォッチを使用し、NASAのフレンドシップ7号で地球を3周した歴史があります。この出来事は、タグ・ホイヤーが宇宙に持ち込まれた最初のスイス製タイムピースとしても知られ、ブランドの技術力を証明する重要な瞬間でした。今回の「アストロノマー」は、そのレガシーを引き継ぎ、月周期の測定精度に特化しています。
ムーンフェイズの革新
「タグ・ホイヤー カレラ アストロノマー」は、新しいムーブメントであるキャリバー7を搭載しています。このムーブメントは約50時間のパワーリザーブを持ち、月の満ち欠けの周期を正確に表示するムーンフェイズ複雑機構を駆動します。特に注目すべきは、時計の6時位置に配置された回転ディスクで、7つのイラストによって月相を明快に表現しています。これにより、日々の月の変化を視覚化し、29.5日周期における現在の月齢を示すことが可能です。
従来のムーンフェイズウォッチの抽象的な表示とは一線を画し、科学的な精度をデザインの核に据えることで、直感的で機能的な美しさを兼ね備えています。ムーンフェイズディスクは、毎日午前1時に実際の月の動きに合わせて進行し、腕時計を通じて夜空の月との神秘的な一体感をもたらします。
三つの個性的なモデル
「タグ・ホイヤー カレラ アストロノマー」には、独自のデザインを持った3つのモデルが登場します。最初のモデルは、ステンレススティール製のケースとシルバーダイヤルを組み合わせ、明快で大胆なコントラストを見せます。黒いフランジとムーンフェイズディスクが宇宙の静けさを、深いグレーの要素が独特な雰囲気を演出しています。
2つ目のモデルは500本限定で、シルバーダイヤルにダークグレーのフランジを配し、ターコイズのアクセントが際立つデザインです。ここでもスーパールミノバ®が用いられており、未来的な雰囲気が漂います。グレーのレザーストラップも奢りを添えています。
最後のモデルは、ステンレススティールとローズゴールドの組み合わせで、温かみのある印象を与えます。これも500本の限定モデルで、18K 5Nローズゴールドが施されたディテールがまとまりを見せています。
時間を再構築する
39mmのケースサイズは、腕元での存在感を兼ね備え、日常にふさわしいエレガンスを実現します。「タグ・ホイヤー カレラ アストロノマー」は、その美しさと高精度な時計製造の厳格さを融合させ、時間を単なる数字の合計ではなく、サイクルやリズムとして捉えなおしています。これは原点回帰ではなく、さらなる探求と新たな価値の発見を促す表現です。
Geneva Watch Days 2025での新作発表は、タグ・ホイヤーが未来に向けての挑戦を続け、デザインとテクノロジーの領域を拡大していることを強く印象づけました。この時計は、タグ・ホイヤーの「Designed to Win(勝利のために)」という哲学を体現しており、見る者に深い感動を与えること間違いありません。