ヤマハの新クラリネット
2025-06-24 11:52:25

ヤマハが「Red Dotデザイン賞」を受賞した新しいクラリネットシリーズの魅力

ヤマハの新しいクラリネットシリーズ『Designed by Nature Clarinets』が受賞



ヤマハ株式会社が展開するプロトタイプシリーズ『Designed by Nature Clarinets』が、国際的に権威のある『Red Dotデザイン賞』のデザインコンセプト部門において輝かしい受賞を果たしました。受賞したのは、クラリネットのプロトタイプとして独自の視点でデザインされた『KINTSUGI』、『SHIRATA』(英語名:Sapwood)、『FUMOKU』(英語名:Grain)、『IRIKAWA』(英語名:Bark)の4モデルです。

『Red Dotデザイン賞』とは



『Red Dotデザイン賞』は、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催しており、世界的に認知されています。このデザイン賞は「プロダクトデザイン」「ブランド&コミュニケーションデザイン」「デザインコンセプト」という3つの部門に分かれています。その中でデザインコンセプト部門は、革新性にあふれる新しいデザインやプロトタイプを評価する場であり、受賞はそれだけでも誇らしい成果です。ヤマハは、2017年に電動アシスト車いす『&Y(アンディ)01』、2024年にはエレキギターのコンセプトモデルや体験型インスタレーションを通じ、今回の受賞で累計4件となります。

クラリネットの特異性



受賞したプロトタイプ『Designed by Nature Clarinets』シリーズは、自然の造形を生かした他に類を見ないクラリネットです。木材の生産過程において重視される均一性に対して、あえて特異な木材を使用し、木の自然なひび割れや欠け、穴といった特性を武器にしたクラリネットのデザインを実現しました。

各モデルの概要について詳しく見ていきましょう。

KINTSUGI



『KINTSUGI』は、古くから日本で実践されてきた伝統的な修復技術「金継ぎ」を取り入れたモデルです。破損部分を金で装飾し、美しく仕上げることで、審美性と歴史を感じさせる一品に仕上げています。

SHIRATA、FUMOKU、IRIKAWA



他のモデルである『SHIRATA』は白太(しらた)、『FUMOKU』は斑杢(ふもく)、『IRIKAWA』は入皮(いりかわ)と、木材の自然由来の特徴をそれぞれ引き立てるデザインが施されています。これらの特性は、それぞれ特有の形状や色合いを生み出し、一般に手に入るクラリネットとは一線を画す魅力を持っています。

サステナビリティと木材の取り扱い



ヤマハでは、クラリネットの製作に使用されるアフリカ産のグラナディラ材が楽器として使えるまでに70~100年かかることから、自然の素材を大切にしています。限りある資源を有効に活用することを目指し、木の持つ特性を生かした製品の研究と開発に力を入れています。また、木片を利用した成形木材技術や、汎用木材を用いる積層木材の研究にも取り組んでおり、新たな素材として無垢材の代替品開発も進めています。

未来に向けて



『Designed by Nature Clarinets』シリーズは、単なる楽器の域を超え、自然の多様性と人間の技術が交わる場所で新しい価値を生み出しています。この受賞は、ヤマハのデザイン哲学が国際的に認められたことを示す証であり、同社の未来へ向けた挑戦の第一歩とも言えるでしょう。岡山から世界へ、さらに多くの人々にその美しい音色とデザインの共鳴を届けることが期待されます。


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