株式会社Ariiの事業承継でズンドコ商店が新たなステージへ
株式会社Arii(東京・渋谷)は、エンターテインメント業界に特化した総合商社で、最近、株式会社エービス(茨城・ひたちなか)から株式会社ズンドコ商店の全株式を承継したことを発表しました。この動きは、ホビー・玩具市場での競争力をより一層強化することを目指しています。
1. 新たな事業展開
ズンドコ商店は、エービスからトレーディングカードや玩具、レトロゲームなどの卸売・レンタルそして小売事業を新設分割により承継した企業です。今後、Ariiの一員として、これまでの店舗運営や仕入れネットワークを最大限に活かし、新たな価値を全国のホビー市場に提供することを目指します。これにより、地域貢献の深化やファミリー層向け商品ポートフォリオの充実が期待されています。
2. ホビー領域の垂直統合
Ariiはトレカやホビー、カプセルトイなど、幅広い事業部を持つエンタメ業界の総合商社です。ズンドコ商店の強みを取り入れることで、既存の取引先へのクロスセル強化や商業施設との関係強化を実現します。地域密着型の営業スタイルで、地元のイベントや縁日の開催も計画しており、これによりファミリー層からの支持を得ることを狙っています。
3. 地域活性化とサステナビリティ
ズンドコ商店は、北関東で直営の「ズンドコ商店®」ブランドの店舗を運営し、地域密着のイベントも多数実施しています。Ariiはこの力を引き継ぎながら、商業施設への新規出店やイベントの開催を進めていく方針です。特に、少子高齢化が進む今、地域の老舗企業の後継問題に対する新しい解決策を提供することが重要視されています。今回の承継案件は、企業連携によるサステナブルな事業継承モデルの先駆けとなることが期待されています。
4. 代表者のコメント
株式会社Ariiの代表取締役である新井貴雄氏は、エービスとの長年の関係が今回の承継のきっかけであると語っています。「ズンドコ商店は“昭和レトロと令和ホビーの交差点”ともいえる独自の品揃えを持っています。私たちの商流とデジタルプラットフォームを掛け合わせることで、次世代に“駄菓子屋”文化を紡いでいきたい」と述べています。
また、株式会社エービスの西野徳浩代表取締役は、新たな体制のもとで社員が大きな夢を描ける環境につながることを強調し、今後も地域の一番楽しいお店を目指す意気込みを示しています。
5. 今後の展開
Ariiは、2028年末までに関東圏内で駄菓子チェーン店の店舗数を拡大し、体験イベントとして縁日やレトロゲーム大会を各地で開催していく予定です。地方自治体や商業施設と連携することで、さらなる地域活性化を進めていく意向です。
6. 事業承継への取り組み
Ariiは、エンターテイメントや遊興・娯楽業界でのM&Aに関心がある企業に対して、事業承継スキームを展開しています。企業規模にかかわらず、積極的に意見をお伺いしており、地域の魅力を引き出すための戦略を着実に進めていく方針です。
このように、株式会社Ariiの新たな取り組みとズンドコ商店の承継は、ホビー市場に新しい風を吹き込むだけでなく、地域の活性化や文化の継承に向けた重要なステップとなるでしょう。