2023年、映画業界での新たな試みが始まりました。株式会社K2 Pictures(以下K2 Pictures)は、森トラスト株式会社(以下森トラスト)から3億円もの資金を調達し、運用する映画製作ファンド「K2P Film Fund Ⅰ(ケーツーピーフィルムファンドファースト)」の設立を発表しました。このファンドの設立は、日本映画の産業構造に新しい風を吹き込むものと期待されています。
K2 Picturesは、2023年8月に新たな映画会社としての事業を開始し、2022年5月のカンヌ国際映画祭において、映画製作ファンドの立ち上げを宣言しました。これにより、国内外の新たな投資家が日本映画産業に参加しやすくなることを目指しています。さらに、ファンドを通じて手数料を下げ、投資家へのリターンを早める仕組みを導入し、クリエイターへの利益還元も重視しています。
「K2P Film Fund Ⅰ」は、すでに才能豊かなクリエイターたちとのプロジェクトが始まっており、2026年には映画監督・是枝裕和による漫画『ルックバック』の実写映画化が予定されています。この作品は、日本の漫画作品を基にしたもので、文化的な価値の高い映像コンテンツとして位置づけられています。また、映画『禍禍女』(まがまがおんな)では、芸人・ゆりやんレトリィバァが初監督に挑戦することが決定しており、映画界に新たな顔ぶれをもたらすことが期待されています。
一方、森トラストは2026年にホテル事業が50周年を迎えるにあたり、新たな観光需要を創出するために書き込んだ内容を実現することを目指しています。観光業が持続可能な発展を遂げるためには、地域に根ざしたコンテンツの制作が不可欠であると認識し、K2 Picturesとの協力を決定しました。あらゆる面で両社の連携を促進し、日本映画の力を最大限に引き出すことで、観光産業と映画産業の相乗効果を図ろうとしています。
森トラスト株式会社の代表取締役社長、伊達美和子氏は、「コンテンツ産業の市場規模の拡大と、ホテル事業を通じた持続可能な観光の価値創出を目指す」と述べています。一方、K2 Picturesの代表取締役CEOである紀伊宗之氏は、ファンドの立ち上げには、日本映画のファイナンスモデルを世界水準に引き上げる必要があるとの認識を示し、この新しいパートナーシップに対する期待を表明しました。
このような取り組みが、今後どのように日本映画産業や観光業界に影響を与えるのか、注視が必要です。ファンドの投資終了は2026年1月末を予定しており、その動向に今後も注目が集まります。新たな映画製作ファンドによる革新と連携が、未来の日本映画をどう変えていくのか、大きな期待が寄せられています。