2025年8月29日(金)から2026年3月6日(金)の間、セルリアンタワー能楽堂にて『渋谷能』が開催されます。今年で七年目を迎えるこの人気企画は、株式会社東急文化村により企画・運営されており、次世代を担う能楽師がその才能を披露する場として定着しました。
『渋谷能』は2019年にスタートし、650年の歴史を持つ能楽の伝統を次世代に引き継ぐことを目的としています。流派を超えた演目が披露され、終演後には観客と出演者のトークタイムも設けられ、能楽への理解を深める貴重な機会が提供されます。特に今年のプログラムでは、小書(特殊演出)付きの能や、流派ごとにしっかりと取り扱われる名作が用意されています。
公演の流れは、まず八月の第一夜に金春流の『小鍛冶 白頭』が上演されます。この作品では、主人公の三条小鍛冶宗近が、稲荷明神によって神の使いである狐の助けを受けて国のために剣を打ち上げる物語が描かれます。
続く十月の第二夜は宝生流による『鉄輪』が上演されます。この物語は、恨みに満ちた女性が自身の怨念を発散させるために呪術に手を染め、その後陰陽師による介入が入る複雑な展開が特徴です。
一月の第三夜には喜多流が登場し、『白田村』を披露します。旅僧と美しい童との出会いから生まれる感動の物語が展開され、観客を引きつけます。そして、三月に行われる千秋楽では、シテ方五流による多彩な仕舞や舞囃子、和泉流の狂言が揃い、観客を楽しませます。
今年は新たに、ホテルタイアップ付き通し券が登場しました。この券を利用すると、第一夜から第四夜までの公演に加え、セルリアンタワー東急ホテルの各レストランでのアフタヌーンティーも楽しむことができます。一夜ごとに異なる趣向の店が用意されており、選べるメニューもバラエティ豊かです。
第一夜には、日本料理「Japanese Cuisine 桜丘」での和風スイーツや抹茶付きの体験、第二夜はガーデンラウンジ「坐忘」でのアフタヌーンティー、第三夜にはタワーズバー「ベロビスト」での季節のシャンパンカクテル。最後の第四夜は、料亭「セルリアンタワー数寄屋」での特別会席料理を堪能した後、特別観覧席から『渋谷能』を楽しむことができます。この特別プランは数量限定で、早めの予約が推奨されます。
また、第一夜から第三夜には能楽師自身による事前講座も開催され、これに参加することで、演目の理解を深める貴重な機会が得られます。さらに、昨年から導入された多言語字幕システム「能サポ」により、外国語での解説も受けられ、国際的な観客にも配慮された演出がなされています。
『渋谷能』はその年ごとに新たな魅力を持って登場し、多くの観客を引きつけています。公演日程やチケット情報は公式ウェブサイトで確認できます。伝統的な能楽を現代のスタイルで楽しむこのイベント、ぜひお見逃しなく!