德永英明、全国ツアー東京公演の感動レポート
1986年にデビューした德永英明は、数多くの名曲を世に送り出し続ける実力派ボーカリストです。その彼が手掛けた女性アーティストのカヴァー曲集『VOCALIST』は、シリーズ累計600万枚以上の売上を記録し、音楽シーンに新たな風を吹き込んだ功績が評価されています。今回は、今年の全国ツアー「ALL REQUEST」における、11月1日の東京・昭和女子大学 人見記念講堂で開催された公演の模様をレポートします。
このツアーは、ファンからのリクエストで構成された特別なセットリストを披露する点が特徴です。今年も、全国27カ所31本の公演が予定されており、観客の期待が高まっています。
約1年ぶりの東京公演を迎え、会場の照明が落とされ特別な夜が始まります。最初に披露されたのは「翼の勇気」。この1989年のアルバム『honesto』の最後を飾るナンバーで、強い意志を歌い上げます。続いては、ラブソング「僕のそばに」。透明感のあるメロディに乗せて、観客の心をつかみます。
また「Positions of life」では、未来への希望を力強く誓いました。多くの観客が彼の表情や歌声に引き込まれ、会場は熱気に包まれていました。特に、デビューシングル「レイニー ブルー」のイントロが流れると、一瞬でその感情が観客の胸を切り裂き、切ない情景を思い起こさせます。
「最後の言い訳」では、彼の独特な声色が深く響き、感情がダイレクトに伝わります。在場するファンは彼に聞き入っている姿が印象的でした。
意外にも、「VOCALIST」シリーズの代表曲群が続き、古内東子の「誰より好きなのに」や、竹内まりやの「駅」といった感情豊かで深い歌たちが披露されました。德永は自身の声を使って、それぞれの楽曲の細やかな感情を伝えていきます。
そして後半は、最初は「愛をください」で、エレキギターを持ちながらパフォーマンスが始まります。観客の反応も絶大で、場内に活気が満ちます。
さらに「セレブレイション」では、彼のリズム感と共に観客も一緒になって盛り上がり、観衆との一体感を感じます。コンサートは高揚とともにクライマックスに達し、「負けるな」のシャウトで全員の気持ちが一つになりました。
後半は名曲「ハナミズキ」が流れ、静かで厳かな空間が広がります。フランスのシャンソン「愛の讃歌」も披露され、特別な思いを伝える力強い歌声が観客の心を奪います。
そして、この夜の締めくくりには「夢を信じて」です。35年前にリリースされたこの曲は、今の時代においても強く心に響くメッセージを持っています。観客全員が一体となり、彼の歌声に酔いしれながら深い余韻を感じました。
最後の曲は「壊れかけのRadio」で、観客と一緒に歌詞を共有し、感動的なフィナーレを迎えます。彼の40周年を目前にしたこの特別なライブは、ファンにとっても忘れられない体験となりました。
1月2日からは、WOWOWで「祝40周年 德永英明特集」が放送され、特に今回のライブの模様も含まれます。ファンはこの機会をお見逃しなく、彼の歌声の数々を堪能してください。