村松英俊の個展『Return to Stone』と特別企画『Wear to Stone』
東京都港区のart cruise galleryにて、村松英俊の個展『Return to Stone』が2025年11月21日より開催されています。これは、彼の独自のアートスタイルが表現された新たな試みとして注目されています。今回はさらに、展示に合わせて特別な合同企画『Wear to Stone』も実施されており、訪れる人々に珍しい体験を提供しています。
『Wear to Stone』の魅力
『Wear to Stone』では、限られた人数のみが対象となる特別なアートプロジェクトが展開されています。中でも注目されるのが、持ち主の思い出や記憶が詰まったスニーカーをもとに、大理石のアート作品を制作するという点です。この企画では、実際に履き込まれたスニーカーからは、時間の経過を示す履き傷や色落ち、ソールの減りといった痕跡がプロジェクトの出発点となっています。村松はこれらの特徴を大理石に置き換えることで、各作品に独自の価値を与えています。
このプロジェクトは、日常生活の中で生じた変化を、永続的な造形に変え、持つ者の記憶をとどめる形として結晶化させることを目指しています。村松は、アートとファッションが生活にどのように交差し、そこから新たな価値が生まれるのかを論じており、この企画はその延長線上にあると言えるでしょう。
展覧会の詳細
村松英俊の個展『Return to Stone』は、11月21日から2026年1月12日まで開かれています。会場であるart cruise galleryは、東京都港区虎ノ門に位置し、日々多くのアート愛好家が訪れる場所です。ここでは村松の作品に加え、特別企画『Wear to Stone』のオーダーも可能で、限られた5名が参加できます。
オーダーの受付期間は2025年12月1日から12月30日までで、制作費は70万から80万円。このプロジェクトでは、持ち主のスニーカーを預け、現物確認を経て制作の可否が判断されます。作品制作には約6ヶ月から12ヶ月の納期が必要です。
村松英俊のアートへの思い
村松英俊は、1988年に静岡県で生まれ、大学院で彫刻を学びました。彼のアートは、「ものに宿る気配」をテーマにしており、日常で使われる物体に込められた記憶や感情を石に変換することによって、時間を超えた価値を生み出しています。彼は、古道具やモノと向き合う中で感じる「そろそろ石にしよう」という直感を重視し、その結果、選ばれたモチーフが彫刻へと変わっていきます。
彼の代表作には、バイクやギター、スケートボードなど、彼自身の経験や憧れに基づいたものが多く含まれています。これらの作品は、単なる彫刻を超え、観る者に対して「存在とは何か」という問いを投げかける、深い思索の場を提供しています。
終わりに
村松の個展『Return to Stone』は、アートとファッションが融合する新しい形の表現を提供しています。特別企画『Wear to Stone』に参加することで、観客はただの鑑賞者を超え、自身の思い出を形にする機会を得ることができます。この機会に、ぜひart cruise galleryを訪れてみてはいかがでしょうか。