渡辺えりが贈る新演出『少女仮面』がついに開幕！

6月11日、新たに演出と主演を担当する渡辺えりがオフィス３〇〇特別公演『少女仮面』を開幕しました。本作は、1969年に鈴木忠志が手掛けた早稲田小劇場のために書かれた唐十郎の名作戯曲。岸田戯曲賞も受賞しており、多くの上演を経て人気を博している作品です。

渡辺えりは今回の上演を唐十郎追悼公演として位置付け、豪華キャストを率いて新たな視点でこの戯曲を演出しています。演劇界の実力派たち、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、新内多賀太夫、岡野一平、宮下浩行、黒島結菜、夢乃、鈴木楓加はトリプルキャストで登場し、さらには日替わりゲストとして竹中直人や尾上松也、中村獅童らが豪華に参加します。

開幕に際し、渡辺えりは「役者の演技と演出への評判も良い。戦争の止まらない現代の闇を掘り下げ、作品と重ね合わせている」とコメント。三味線やチェロ、バイオリン、ギター、アコーディオンの生演奏が、過去と現在を行き交うという独自の演出によって、役者それぞれの個性が際立つ舞台となりました。

この作品は、都内の地下喫茶「肉体」を舞台に、戦前から続く複雑な愛や欲望を描いています。伝説の宝塚男役スター、春日野八千代が経営するこの喫茶店では、永遠の処女キャサリンの役を待ちわびる主人公の姿が描かれています。

舞台では、春日野の稽古の傍ら、さまざまなキャラクターが損なわれた愛や絶望を体現し、戦争の影響を色濃く反映させた物語が展開されます。帝都大空襲で家族を失い、愛に溺れる人々の苦悩、さらには舞台を支えるボーイたちの苦しい運命が絡み合い、全体を通じて狂おしい愛と夢の表現がなされます。観客の心を揺さぶるこの作品に、ぜひご注目ください。

さらに、根強い人気を誇る本作は、既に完売となった公演もあり、追加の通路席や当日券が若干数販売される予定ですので、予約をお忘れなく！