海の恵みから生まれた新しいサングラス
宮城県気仙沼市に本社を置くamu株式会社が、魚釣りに使われる廃漁具をリサイクルしたサングラスを2025年3月から販売開始します。このサングラスは、ライフスタイルブランド「moment of OCEAN」にて取り扱われ、環境保護に貢献するおしゃれなアイテムとして注目を集めています。
サステナブルなデザイン
今回のサングラスは、宮城県気仙沼市で使用済みのマグロ釣り糸を60%使用しています。この釣り糸は、廃漁具として捨てられてしまう運命にあったものを、独自の技術でリサイクルし新しい製品として生まれ変わらせています。サングラスのフレームは「amuca®︎ PA」という素材でできており、この素材は廃漁具を元にしたナイロンです。
商品にはQRコードが付与されており、スキャンすることでこのサングラスがどのように作られたのか、その過程を知ることができます。使われている漁具の回収エリアや製品化までの流れを知ることで、単なるファッションアイテムに留まらないストーリーを感じられます。
環境問題へのアプローチ
日本では、海岸に漂着するプラスチックごみの大部分が漁業関連のものであり、その中には放棄された漁具が多く含まれています。この廃漁具は海洋生物に悪影響を及ぼす「ゴーストギア」となり、生態系に深刻な影響を与えています。適切な処理やリサイクル方法が確立されていないため、廃棄された漁具が環境を汚してしまう現状があります。amuはこの問題を解決するために、廃漁具を回収・リサイクル・販売を行う仕組みを構築し、新たな価値を創造しています。
商品ラインナップの魅力
「moment of OCEAN」では、2種類のサングラスが販売されます。一つはKesenrayという名のウェリントン型で、逆さ台形の形状が特徴です。このサングラスは知的で落ち着いた印象を与え、幅広い世代に愛されるデザインとなっています。もう一つはKesenmolaというボストン型を基にしたクラウンパント型で、柔らかさと洗練された印象を併せ持っています。
両商品ともに、フレームは60%が廃棄漁具由来のナイロン、40%が植物性樹脂で製造されています。レンズは生分解性Bioレンズを使用しており、色付き調光や偏光レンズが揃っています。価格はそれぞれ8,800円(税込)で、公式サイトから購入可能です。
地域への貢献
さらに、につれて注目すべきは、サングラスケースにも設計思想が詰まっています。宮城県石巻市で製造されたウェットスーツの端材を使用したケースは、クージーとしても使うことができます。これにより、アウトドアシーンでも活躍できる機能性を兼ね備えています。その背景には、地域の復興を願う気持ちが込められています。
新たな価値の創出を目指して
今後、amuca®︎を使用したサングラスはさらなる展開が期待されています。漁業関係者やアパレル、アウトドア、ファッションなど様々なブランドとコラボレーションを行い、より多くの消費者に「いらないものはない世界をつくる」というamuのメッセージを広めていく予定です。また、サングラス以外のプロダクトでも廃漁具を活用し、地域資源の創出に貢献する方針です。
この新しいサングラスは、ただのファッションアイテムにとどまらず、海や環境への恩返しをすることができる特別な存在となっているのです。皆さんもそのストーリーに参加し、持続可能な未来のために選ぶ一つの選択肢として、このサングラスを手に取ってみてはいかがでしょうか?