日韓文化の調和を祝う特別公演
国立劇場は、2024年4月に特別企画公演を開催し、日韓国交正常化60周年を記念します。この公演は、ユネスコの無形文化遺産に登録されている日本の「組踊」と韓国の「宗廟祭礼楽」が共演することで、両国の伝統文化の深い絆を表現します。毎年多くの伝統芸能公演を企画・実施してきた国立劇場は、再整備期間中でも首都圏の各劇場で主催公演を続け、伝統芸能の普及と振興に努めています。
組踊:琉球王国の伝統を支える総合芸術
組踊は、琉球王国の伝統舞台芸術であり、1719年に創始されて以来、独特のリズムによるセリフや楽器演奏、舞踊を融合したストーリーを展開します。この芸能は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録され、音楽性が高いのが特徴です。今回上演される『万歳敵討』は、1756年に初演された作品で、父の仇を討とうとする兄弟の物語を描いています。特に、謝名の子が仇討ちを弟に説得する場面は、組踊独特のセリフが披露されるため見どころの一つです。また、兄弟が万歳の踊りを披露する場面は『高平良万歳』として単独でも知られており、琉球舞踊の魅力を存分に味わえます。
宗廟祭礼楽:500年以上の歴史を持つ祭祀芸能
一方、韓国の宗廟祭礼楽は、李王朝の国王の位牌が祀られる宗廟で毎年行われる祭祀の際に演じられる芸能です。2001年にユネスコに登録されて以来、約500年の歴史を持つこの伝統芸能は、歌と器楽演奏、舞が一体となった表現で知られています。特に「保太平」と「定大業」を中心に構成され、文舞と武舞が対比される壮麗な舞台が展開されます。舞台上では、笛や箏の多彩な響きが流れ、古典的な美しさと力強さを共演させます。
この特別公演では、韓国の国立国楽院からお招きした約70名の実演者が、宗廟祭礼楽の音楽と舞踊を披露し、日韓双方の文化の魅力を一堂に会する貴重な機会です。
公演の詳細・アクセス情報
今回の公演は、2024年4月19日(土)の午後1時から文京シビックホールで行われます。入場料金は1等席9,000円、学生割引6,300円、2等席8,000円、学生割引5,600円で設定されています。障害者の方には割引も用意されており、車椅子用スペースもあります。
公演を観賞するには、国立劇場のチケットセンターやインターネットで事前にお申し込みが可能です。公演当日には、残席があれば当日券も販売されます。
会場は、東京メトロや都営地下鉄に直結しており、アクセスも便利です。日韓の伝統芸能が一堂に会するこの機会をお見逃しなく!