FASHION FRONTIER PROGRAM 2025の概要
ファッション業界で重要な役割を果たす「FASHION FRONTIER PROGRAM」は、ファッションの未来を見据える次世代デザイナーを支援するプログラムです。2025年度の受賞者が発表されたことを受け、東京・虎ノ門のTOKYO NODE HALLで行われた最終プレゼンテーションの様子をお伝えします。
このプログラムは、社会的責任と創造性を併せ持つ衣服のデザインを具現化することを目的としており、今年で5年目を迎えます。国内外から多くの応募があり、審査は厳正に行われました。
受賞者とその作品
2025年12月13日、8名のファイナリストによるプレゼンテーションが行われ、その結果、以下の受賞者が選出されました。
- - グランプリ: 林 ひかり(Hikari Hayashi)
- - 準グランプリ: エミリー・ミサキ・ホン(Emily Misaki Hon)
- - 準グランプリ: 滝 直(Nao Taki)
グランプリ受賞者の作品
林 ひかり「Reframing」
林さんの作品は、服が身体にフィットするのではなく、身体が服の基準に合わせることへの違和感を表現しています。彼女はシンプルなTシャツを原材料として取り扱い、流行に左右されない、時間をかけた作品を制作しました。特に成長によって短期間で使えなくなる子供服に対する意義を考え、服の新しい価値を提案しています。
準グランプリ受賞者の作品
エミリー・ミサキ・ホン「Relics / 遺物」
エミリーさんの作品は、ファッションの使い捨て文化への批判を通して、記憶とアイデンティティを織り交ぜた再解釈を行っています。祖父の遺品を使用し、その経験を通じて環境意識と文化的背景を再評価した作品となっています。彼女のアプローチは、アイデンティティの持続可能性を考えさせられるものです。
滝 直「Wrap me up !」
滝さんは、服の着こなしがもたらす”遊び”の要素に注目し、誰でも自由に着用できる製品を目指してデザインしました。彼の作品は、巻き付け方によりシルエットが変化し、着る側の創造性が重要視されています。また、環境への配慮として、工場の残糸を使用している点も注目されています。
審査員について
本プログラムの審査員には、現代美術家やファッション専門家が参加し、多角的な評価が行われました。審査員の皆様は、ファッションの未来だけでなく、衣食住や人類の未来についても議論を重ねてきました。
発起人からのメッセージ
中里唯馬氏は、このプログラムと自身の経験を通じて、ファッションが持つ影響力とその責任について語りました。彼は、ファッションデザインを通じて新たな関係性の構築を促す重要性を強調し、今後も勇気あるデザイナーを支援していくことを約束しました。
プログラムについて
「FASHION FRONTIER PROGRAM」は、アワード、インキュベーション、スカウティング、マッチング、ラボの5つの要素で構成されています。これにより、受賞者が学びと交流を通じて、持続可能なファッションの未来を共に築いていくことを目指しています。アフターサポートとして、受賞者の成長を見守る仕組みも整えられています。
公式情報
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