法政大学で実施するエンタメと法の寄附講座の詳細
日本レコード協会寄附講座「エンタメ産業と法」の紹介
令和7年度、一般社団法人日本レコード協会による寄附講座「エンタメ産業と法」が法政大学で開講されます。この講座は、秋学期から始まる予定で、次代を担う学生たちにクリエイティブビジネスに対する理解を深めてもらうために企画されています。法的視点からエンターテインメント産業を考えることが目的です。
講座の背景と目的
日本レコード協会は1992年から寄附講座を実施しており、これまでに9つの大学でさまざまなテーマの講座を提供してきました。法政大学では、昨年度に引き続き、3年目の開講を迎えます。この講座を通じて、学生たちに知的財産や著作権制度の重要性を理解し、エンタメ業界の現状や課題について深く学んでもらう狙いがあります。
講義の概要
今年度の講義内容は多岐にわたり、業界の専門家を招いたさまざまなトピックが扱われます。以下は主な講義内容です:
1. イントロダクション:エンターテインメントと著作権
法政大学法学部の武生昌士教授が、エンタメと著作権の基本を解説します。
2. レコード産業の現状と課題
日本レコード協会専務理事の佐藤朝昭氏が、業界の現状について議論します。
3. レコード会社のビジネス
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ社長の辻野学氏が、レコード会社のビジネスモデルを紹介します。
4. 音楽配信ビジネス
スポティファイジャパンのトニー・エリソン氏が、音楽配信の未来を語ります。
5. 音楽著作物の集中管理
日本音楽著作権協会の常任理事、宇佐美和男氏が管理の重要性について説明します。
6. アニメ業界
バンダイナムコミュージックライブの鈴木孝明氏が、アニメに関するビジネスモデルを解説します。
7. ライブ・コンサートビジネス
コンサートプロモーターズ協会会長の中西健夫氏が、ライブ産業の現状に焦点を当てます。
8. 放送業界
関西テレビの河西秀幸氏が、放送の最新事情についてお話しします。
9. 海賊版対策と偽グッズ対策の現状
コンテンツ海外流通促進機構の後藤健郎氏が、重要な社会問題に触れます。
10. ゲーム業界
スクウェア・エニックスの田口悦宏氏と大谷友和氏が、ゲームビジネスの法的課題を解説します。
11. 映画業界
東宝の小野田光氏が、映画産業における法的側面を紹介します。
12. 出版業界
日本書籍出版協会の樋口清一氏が、出版に関する著作権の理解を深めます。
13. コンテンツをめぐる紛争
染井・前田・中川法律事務所の前田哲男氏が、業界での法的紛争について議論を行います。
14. 日本のコンテンツビジネス戦略
現在、調整中のこの講義では、日本のコンテンツビジネスの未来について変化を探ります。
講座の意義
この講座は、エンタメ産業の専門家や法律のプロから直接学ぶことで、学生たちの知識と視点が広がる貴重な機会です。日本レコード協会は創立50周年を迎えるにあたり、このような教育支援を通じて、次世代のクリエイターやビジネスリーダーの育成に力を入れています。
エンタメ業界の未来を担う学生たちが、ここでの学びを生かし、法的観点から創造的で持続可能なビジネスモデルを構築することが期待されています。法政大学でのこの講座が、彼らのキャリアに大きな影響を与えることでしょう。