ADOLFO DOMÍNGUEZがマドリードで新コレクション「Zenit」を発表
9月17日(水)午後4時30分、スペインの有名ファッションブランドADOLFO DOMÍNGUEZが、マドリード・ファッションウィークにて最新のSS2026コレクション「Zenit」を発表しました。このイベントは、シベーレス宮殿のガレリア・デ・クリスタルという特別な場所で行われました。
ADOLFO DOMÍNGUEZは「しわは美しい」という哲学で知られ、ミニマリズムを大切にするスペインを代表するブランドの一つです。MBFWMadridはスペインのファッション界において重要な役割を果たし、5日間にわたって数多くの一流ブランドが参加します。今年で40周年を迎えたこのファッションウィークの初日、ADOLFO DOMÍNGUEZがOFFプログラムの一環として注目を集めました。
「Zenit」というタイトルには、単なる成功への憧れ以上の深い意味が込められています。これは空の最高点、つまりみんなが達成したい理想の境地を示しています。このコレクションは、頂点への道のりが一筋縄ではいかないことを受け入れ、新たな美学を見出そうとする試みです。人生の複雑さを衣服で表現することを目指しています。
デザインディレクターのティジアナ・ドミンゲスは、このコレクションの核心にある二重性について語ります。彼女によれば、実験的なパターンが衣服を身体から解放し、予想外の着こなしが可能になるとのことです。たとえば、スカートの一部がウエストから離れ、独特のドレープを作り出したり、シャツの袖が自然に肩から垂れ下がったりします。ここには新たな美学の可能性が広がっています。
さらに「Zenit」では、上昇への努力が高いクラフツマンシップとして表現されています。刺繍ジャケットでは、すべてのステッチが細心の注意を払って描かれ、フリンジのように揺れる美しさが際立たせています。黒いニットドレスには、太いキュプラ糸が装飾され、視覚的にもインパクトを与えます。また、コレクション全体を通じて、ストライプのモチーフが繰り返され、継続性や一貫性の象徴として視覚的に強調されています。
カラーパレットには、ADOLFO DOMÍNGUEZが大切にしている自然との調和が反映されています。ナチュラルトーンをベースにしつつ、鮮やかなブルーやサーモンピンクがアクセントとして効果的に配置されています。素材選びにおいては、「しわは美しい」という哲学が現代的に解釈されており、コットン、レザー、リネンなどの自然素材の質感が最大限に生かされています。これにより、衣服が身体を包み込む感覚や、動くたびに生まれる光と影の美しさが強調されています。
ADOLFO DOMÍNGUEZの国際的な戦略も非常に成功を収めています。現在、49カ国に366店舗を展開し、2025-2026年度の第1四半期(3-5月)において、海外での売上が42.6%を占めています。この数字は過去10年間の中でも最高水準であり、同ブランドのグローバルな影響力が新たな段階へと進化していることを示しています。また、昨年度の売上高は1億3,650万ユーロに達し、商業的成功以上に文化的な価値の創出に寄与しています。
ADOLFO DOMÍNGUEZは、1976年に創業し、28年にわたってスペイン証券取引所に上場する企業としての名声を築いてきました。来年2026年には創立50周年を迎えることになり、スペインのファッション業界において長い歴史を持つ影響力ある企業から国際的な存在へと進化し続けています。
「Zenit」はADOLFO DOMÍNGUEZがファッションを通じて人生の旅路を表現する独自のアプローチの集大成と言えるでしょう。頂点への道のりが複雑であればこそ、その中に真の美しさと意味が宿っているのです。
ADOLFO DOMÍNGUEZは1977年にスペイン・ガリシア地方に創業されて以来、シーズンを超えて着用できるミニマルでエレガントな服作りで広範な支持を集めてきました。現在も49ヶ国に366店舗を展開し、日本でも1980年代から支持を得ているブランドです。