「ユーミンと14番目の月」荒井由実の魅力を探る新刊登場！

ユーミンの音楽旅を振り返る新著登場

2025年3月24日、株式会社平凡社から新たに発表される書籍『ユーミンと「14番目の月」──荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代』は、ユーミンこと松任谷由実がどのようにして「ユーミン」となったのかを掘り下げています。著者はフィンランドの音楽研究者ラッセ・レヘトネン氏で、彼の視点から見るユーミンのキャリアや自身のアルバム『14番目の月』にさまざまな角度から光を当てています。

この書籍の魅力は、荒井由実名義で発表されたアルバム『14番目の月』の楽曲分析を核にしている点です。このアルバムは実はユーミンの代表作の一つとして位置づけられており、オリコンでの初の1位獲得や現在でもドライブ中に聴かれる「中央フリーウェイ」など、今なおその名曲は多くの人々に親しまれています。

荒井由実の魅力とウーマンリブとの関わり

本書では、荒井由実時代のユーミンだけではなく、同時代の女性シンガー・ソングライターたちや、当時興隆を迎えていたウーマンリブ（第2次フェミニズム運動）との関連性についても論じています。この時代の背景や社会の変化は、音楽にどのような影響を与えていたのか、そしてそれが荒井由実の音楽にどのように連関しているのかを探ることができます。

著者ラッセ・レヘトネン氏は「日本の読者へのまえがき」で、「『14番目の月』を通じてユーミンの多様な音楽スタイルやその時代の社会的背景を再考することは、聴く側の私たちにも新しい視点をもたらす」という興味深い観点を示しています。1976年に発表されたこのアルバムが、今の時代にも共鳴するその内容やメッセージは、まさに驚くべきものです。

著者と翻訳者の意気込む

ラッセ・レヘトネン氏はフィンランドで多くの研究を行い、日本の音楽に関する知見を掘り下げてきた著名な研究者です。彼の活動は広範囲で、ポップスから現代音楽、更にはゲームミュージックに至るまで、日本の音楽の様々な側面を探求しています。彼の視点から生まれるこの本は、多くの音楽ファンに新たな発見や理解を提供することでしょう。

翻訳を担当する加藤賢氏とアニータ・ドレックスラー氏も、共にポピュラー音楽研究の界隈でアクティブに活動しており、その専門知識を活かした訳が期待されています。

書籍の詳細

書名：『ユーミンと「14番目の月」──荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代』
著者名：ラッセ・レへトネン
翻訳者：加藤賢・アニータ・ドレックスラー
発売日：2025年3月24日
仕様：四六判／並製／248頁
定価：2,420円（税込）
ISBN：978-4-582-83954-8
装画：朝野ペコ
装幀：天池聖（drnco.）
出版社：平凡社

この新刊が読者にとってユーミンや日本の音楽文化に対する新たな視点を提供し、彼女の作品とその背後にある時代を考えるきっかけになることを願っています。興味がある方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。