新たな挑戦を切り拓く「TMTギア」プロジェクト
東京芸術劇場が2024年度からスタートする新たなプロジェクト「TMTギア」では、次世代のアート・クリエイターたちが選出されました。このプロジェクトは、舞台芸術や音楽の未来を築くことを目的にしたもので、世界に挑戦するクリエイターを集めています。数多くの応募者の中から選ばれた5名のクリエイターたちの挑戦に期待が寄せられます。
選ばれたアート・クリエイターたち
額田大志
額田大志(Nukata Masashi)は、東京都出身の若手作曲家であり演出家、劇作家です。東京藝術大学在学中に結成したコンテンポラリーポップバンド「東京塩麹」としても活動し、広く知られている彼は、演劇カンパニー「ヌトミック」を2016年に設立しました。彼の作品は、音楽と演出を融合させ、「上演とは何か」を問い直す試みがなされています。
山崎阿弥
声のアーティストであり美術家の山崎阿弥(Yamasaki Ami)も選ばれました。彼女は、自らの声を通じて空間を理解し、音響的な変容を探求しています。最近のプロジェクトには、国立天文台や神奈川県民ホールでの演出が含まれ、音楽と科学の協働にも力を入れています。
布施砂丘彦
布施砂丘彦(Fuse Sakuhiko)は、コントラバス演奏の第一人者であり、批評活動やイベントの企画制作も行っています。彼は、複数の音楽ジャンルで活動するミュージシャンやアーティストとの協働を積極的に行い、また、音楽評論家としても評価を受けています。
長瀬善則
金融業界から音楽の世界へ飛び込んだ長瀬善則(Nagase Yoshinori)は、バークリー音楽大学からコロンビア大学のMBAプログラムに進学中です。音楽制作やコンサートへの出演など多岐にわたる活動を展開する彼は、ダイナミックなキャリアを持っています。
吉野良祐
オペラ演出家の吉野良祐(Yoshino Ryosuke)は、気鋭のオペラカンパニーでの演出や、プロダクションでの助手としての経験を持っています。多岐にわたる舞台美術や音楽活動に加え、建築史の研究でも注目されています。彼の作品は、現代の音楽と美術を交差させる試みがなされています。
プロジェクト「TMTギア」の意義
「TMTギア」とは、未来を切り開くためのギアとして、アート・クリエイターたちが新たな装備を得られるように支援することを意図しています。次期芸術監督の岡田利規氏と音楽部門の山田和樹氏がメンターとなり、さまざまなアート・クリエイターと共に新しい作品を創造していくことを目指しています。
また、映像メディアチームや制作スタッフも育成の一環として取り組まれています。これにより、多面的な体験が生まれ、クリエイティブな環境が刺激されることでしょう。
未来に向けた大きな一歩
東京芸術劇場は、2026年度の国内公演とその後の海外公演を目指しています。「TMTギア」プロジェクトはただの始まりにすぎません。選ばれたクリエイターたちが、東京芸術劇場を舞台に、未来の芸術界を変革することを期待されており、彼らの活躍が、国内外の観客を魅了することでしょう。このプロジェクトの今後が非常に楽しみです。