HUISが提供する端材プロジェクト
2025年11月13日、静岡県浜松市のアパレルブランド「HUIS(ハウス)」が、地元のさなる幼稚園に対して洋服生産過程で出る端材とハギレを提供するイベントを実施します。これは、地域の伝統的な繊維産業への理解を深めるための取り組みの一環として行われ、子どもたちにとっても貴重な体験となります。
端材プロジェクトの概要
当日はHUISのスタッフが直接さなる幼稚園を訪問し、子どもたちに端材とハギレを手渡します。その後、子どもたちはこれらの素材を使用したワークショップに参加し、遠州織物についての解説を聞く予定です。
このプロジェクトは、HUISがこれまで行ってきた出前授業の延長線上にあります。HUISではすでに市内の小学校やこども園に出向く形で、地域の繊維産業や文化について教えてきましたが、さなる幼稚園は今回で6件目の訪問先となります。これにより、子どもたちが実際に手に触れることで、地元の繊維産業への関心を高めてもらうことを目的としています。
取り組みの背景
HUISは年間40,000着以上の衣服を生産していますが、その過程ではどうしても裁断クズやハギレが発生してしまいます。多くの場合、これらの素材は廃棄処分されてしまうのが現実です。そこでHUISは、限られた資源を有効に活用し、環境問題にも配慮した持続可能な取り組みとして、端材とハギレの提供を決定しました。
また、地域の伝統産業である遠州織物のユニークな風合いを子どもたちに体験してもらうことで、地元の文化への親しみを育む試みでもあります。
遠州織物とHUIS
HUISは、その名の通り遠州織物を使用したアパレル製品を展開しています。浜松市を拠点とし、製品は全て遠州織物で製作されています。自社のオンラインストアに加え、全国各地に展開するショールームで直接顧客と対話しながら、地域産業の魅力を伝えています。
これまでの取り組みは大変評価されており、特に旧式のシャトル織機で織られた生地は、特別な風合いと機能性を持つとして人気があります。そのため、ファンも全国的に広がりつつあります。一般的なアパレルブランドとは一線を画した「産地・産業を訴求する製品作り」をコンセプトにしており、地域の伝統に根ざしたビジネスモデルを目指しています。
今後の展望
HUISは、今後も地域との連携を強化し、地域住民や子どもたちに向けた教育活動を推進していく予定です。また、2024年3月には、HUISの取り組みや製品作りの背景を紹介する書籍も出版予定です。これを機にさらなる関心を集め、地域の伝統産業を知ってもらえる機会を増やしていく考えです。
いまや重要な役割を果たすHUISの取り組みが、地域の未来を担う子どもたちにどのように影響を与えていくのか、大いに期待されます。今後の活動にも注目していきましょう。