『エンドゲーム』オーディション
2025-03-12 16:30:25

新国立劇場による演劇公演『エンドゲーム』オーディションの詳細が公開

新国立劇場が贈る演劇の挑戦



新国立劇場では、2026年5月にサミュエル・ベケット作の名作『エンドゲーム』が上演されることが決定しました。この演劇作品は、全キャストがオーディションで選ばれるというユニークな企画の一環で、芸術監督の小川絵梨子自らが演出を手掛けます。これはフルオーディション企画の第8弾となり、これまでの成功を受けての新たなステップとして位置付けられています。

小川絵梨子による演出



小川絵梨子は、劇作家ベケットの作品について、どのように終わりを迎えるかという問いを持ちながら、人間存在の意味を探求する物語として『エンドゲーム』を捉えています。作品の背景には、荒廃した世界が広がっており、日常生活を送る登場人物たちの視点から“終わらないためにどう生きるか”というテーマが展開されます。彼女はこの作品を通じて、観客に普遍的な人間の姿を再確認させることを目指しています。

小川は、「Try again. Fail again. Fail better.(再挑戦しよう。もう一度失敗しよう。もっとよく失敗しよう)」というベケットの言葉に強い影響を受けていると述べ、その冷徹な視点の中に温かさを感じています。このメッセージは、すべての登場人物が絶望的な状況でもなお生きる希望を抱いている姿と重なり、観客に感動を与えます。

オーディション情報



オーディションは2025年3月12日に募集が始まり、4月から5月にかけて実施されます。合格者は2026年5月に上演される『エンドゲーム』に出演することができます。応募は、役の年齢設定に関係なく自由で、参加者の多様な表現力を重視している点がこの企画の特徴です。

小川は、オーディションについて「参加してくれる方々の熱意が、この企画を成り立たせている」とし、参加者への感謝の気持ちを表しています。「ぜひ多くの方に応募していただきたい。その出会いを楽しみにしています」と期待を寄せています。

登場人物の紹介



『エンドゲーム』では、ハムとその親子関係にあるクロヴ、さらにハムの両親であるナッグとネルの4名が主要キャストとして登場します。キャラクターは年齢設定がありながらも、演じる俳優の実年齢に縛られることはありません。この柔軟性は、参加者が自由に演じる楽しさを追求するための配慮です。

作品の背景と理念



作品『エンドゲーム』は、家具のない室内を舞台に、これは物質的な承認も失った人間の姿を象徴しています。ハムは盲目で、心の中に閉じ込められていますが、彼の会話相手であるクロヴは、心のおもむくままに生きています。彼らの会話は一見無意味に思えますが、実はその中に深い感情や人間関係が隠されており、舞台はさながら人生の縮図のようです。

新国立劇場の『エンドゲーム』は、ただの演劇に留まらず、観客に対して深い問いかけを行う貴重な機会となることでしょう。視覚と聴覚の両面から、観客を惹きつけるこの作品に、ぜひ多くの方々に参加していただきたいと思います。

公演情報



  • - 会場: 新国立劇場小劇場
  • - 公演日程: 2026年5月(全国公演の可能性あり)
  • - : サミュエル・ベケット
  • - 翻訳: 岡室美奈子
  • - 演出: 小川絵梨子

公演チケットは、2026年3月20日から一般発売される予定です。詳細な情報は、新国立劇場の公式ウェブサイトをご覧ください。


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