AIC国際学院京都での「おもちゃとジェンダー」コラボ授業
2025年6月と7月、京都市のAIC国際学院京都初等部でおもちゃメーカー、ピープル株式会社との共同授業が行われました。テーマは「おもちゃとジェンダー」。この授業では、子どもたちが大人たちに向けて自らの考えを伝えるための『あそびおもちゃパスポート』の制作を行うことが目的でした。
プロジェクトの背景
ピープル株式会社は「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい!」という理念を持ち、日々の事業活動を通してその実現に努めています。しかし、実際におもちゃを使う子どもたちの中には、性別による偏見、いわゆる「ジェンダーバイアス」が原因で自分の好きな遊びに制限を感じている様子も見受けられました。このような状況を改善するため、教育機関と協力し、子どもたちが自由に意見を述べ、生き生きとした遊びを楽しむ環境を創出しようとする取り組みが始まりました。
ジェンダー意識を育む授業
2024年度には、子どもたちと共に「ジェンダーバイアス」について学ぶ授業を展開。1年生から3年生の子どもたちが集まり、遊びに関する意見交換やフィールドワークを通じて、自らが「おもちゃとジェンダー 子ども大使」に任命されるなど、主体的な活動の場が設けられました。特に、玩具店や保護者への取材を経て作成した新聞は、自らのメッセージを全国大会で堂々と発表するきっかけとなりました。
『あそびおもちゃパスポート』の制作
2025年度の授業は、昨年度の提案を基にした内容で進展しました。1年生と3年生が協力し、大人に向けた『あそびおもちゃパスポート』を制作するミッションを掲げ、授業が行われました。
第1回授業(2025年6月24日)
子どもたちは、自らの「本音」を深掘り、やりたいこととその理由、また大人にお願いしたいことについてワークショップを通じて言語化しました。意外にも「できていないこと」や「やりたいこと」を多く抱えている子どもたちが、その背景には大人の思い込みがあることに気づきました。自らの行動を変える提案も出され、大人との対話の重要性を学ぶことができました。
第2回授業(2025年7月7日)
この日は七夕の日でもあり、互いの意見を尊重し合うワークが行われました。子どもたちが制作した『あそびおもちゃパスポート』を持って、京都市内の保育園や女性センターを訪れ、直接配布するフィールドワークも実施。
配布場所にはマリアンインターナショナルスクールやウィングス京都が含まれ、子どもたちは自らのメッセージの重要性を確認する時間となりました。
おもちゃとジェンダーを巡るメッセージ
子どもたちが制作した『あそびおもちゃパスポート』には、大人が一方的に決めるルールに対する疑問や、対話を通じて主体的に考える姿勢が盛り込まれています。大人とともに遊びやおもちゃを選ぶ際の心構えを詰め込んだこの資料は、今後も広がりを見せることでしょう。
この取り組みは、ジェンダー平等の視点からの新たな教育の形を示しており、おもちゃをめぐる意識改革を促進する重要な一歩となることに期待が寄せられています。
『あそびおもちゃパスポート』に関するリクエストや、詳細を知りたい方は、ピープル株式会社までお問い合わせください。