オペラ『トゥーランドット』
2025-06-19 18:00:52

映画館で感動のオペラ体験を!『トゥーランドット』公開

映画館で感動のオペラ体験を!



今年6月20日(金)から、英国ロイヤル・オペラの名作『トゥーランドット』が映画館で楽しめるシネマ版として公開されます。このオペラは、1984年にアンドレイ・セルバンによって初演され、以来多くの観客に愛され続けてきた作品です。物語は古の中国を舞台にしており、愛と犠牲をテーマに描かれた美しい音楽が特徴です。

オペラ・キュレーターの井内美香氏は、「《トゥーランドット》の世界観を余すところなく描き出す点にこそ魅力がある」と語ります。圧倒的な美術セットや、舞台を囲む木製ギャラリーにより、観客はまるで中国の伝説の時代に迷い込んだかのような没入感を得られます。また、振付家ケイト・フラットによる太極拳風のダンスや、照明・スモークを駆使した演出により、ドラマ性が一層高められています。シネマ版ならではの特典として、関係者インタビュー映像も披露される予定で、井内氏は「初演時の振付家ケイト・フラットが演出について語る貴重な映像は見逃せません」と語り、その魅力を伝えています。

特に魅力的なのはキャスト陣のアンサンブルです。トゥーランドット姫を演じるソンドラ・ラドヴァノフスキーの歌唱は「圧巻の一言」と井内氏が形容するほど。この役を伸びやかに歌い上げる彼女は、第2幕から第3幕にかけて、その感情の葛藤を力強く表現します。また、カラフ役のソクジョン・ベクも「誰も寝てはならぬ」を歌い上げる際に、素晴らしい存在感を示すと井内氏は称賛しています。さらに、リューを演じるジェマ・サマーフィールドも音楽性豊かな歌唱で観客を魅了し、新たな感動をもたらします。

セルバン演出では、ピン・パン・ポンの3人の役割が特に重要視されています。井内氏は「彼らは音楽的に重要なパートを担っており、躍動感あふれる演技と、人間的な一面を描く演出に注目してください」と言います。彼らの動きは見事で、観客に感情的な共鳴を呼び起こします。

最後に、井内氏は『トゥーランドット』の魅力はプッチーニが生み出したリューにあると強調します。彼女の死後の展開には賛否がありますが、「この舞台を観ることで、彼女の存在がドラマの核心を突くものだと理解できるはずです。現代の人々が抱える葛藤をプッチーニの音楽によって表現したこの作品は、ぜひ体験してほしい」と熱いメッセージを発信しています。

シネマ版『トゥーランドット』は、劇場とは異なる視点で作品の魅力を再発見する絶好の機会です。皆さんもこの名作を映画館で堪能し、感動を共有しましょう。


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