第3回「観たいのに観れなかった映画賞」の投票結果
特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会、通称SWFIが主催する「観たいのに観れなかった映画賞」の結果が発表されました。367名の方から投票が寄せられ、その上位作品が注目を集めています。この賞は、すべての働く女性の声を反映したもので、映画館利用に関するリアルな意見や状況が明らかになりました。
上位作品の発表
今回の投票結果において、第1位には成島出監督の『52ヘルツのクジラたち』が選ばれました。続いて、第2位は入江悠監督の『あんのこと』、第3位は山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』がランクインしました。これらの作品は、働く女性たちが実際に観たいと思っていたものの、時間がなかったために観れなかった映画として、特別な位置付けを持つこととなりました。
働く女性たちの声
366名の投票者からの意見は多様で、自身の業種や環境に応じた自由記述が寄せられています。「上位作品の上映機会を増やしてほしい」「上映の形を考えて欲しい」といった声のほか、「子育てが終わるまでは映画を観る余裕がなかった」という切実な体験も伺えました。また、多くの人が「映画館に行きたいが実際には行けていない」という共通の悩みを抱えているようです。
特に、「子供の託児所やオールナイト上映があれば嬉しい」「一緒に観に行きたい」といったコメントが多く、家庭事情が観る機会を減らしていることが浮き彫りとなりました。このように、映画を観たくてもさまざまな制約が影響し、思うようには楽しめないのが現状です。
映画賞の目的
「観たいのに観れなかった映画賞」は、ただの賞ではなく、働く女性の映画館利用促進と労働環境改善に向けたシンボル的な存在でもあります。SWFIは、映画業界で働く女性が「観たくても観れなかった」という経験を通じて、業務の見直しや働きながら楽しめる環境作りを目指しています。また、このプロジェクトを通じて収集したデータを元に、映画館と観客の距離を縮めるために必要な施策を提案していくことを狙いとしています。
今後の展望
映画館の利用率が低下する中、特に30代以上の女性たちがその傾向に影響されていることが報告されています。この流れを逆転させるためにも、SWFIは「観たいのに観れなかった映画賞」から得られるデータを基に、映画と働く女性との架け橋を作ることを目指しています。
今後もこの取り組みを通じて、経済的、社会的な環境を改善し、全ての働く女性が映画館での映画鑑賞を楽しめるようになることが期待されています。 SWFIでは、すべての人が映画にアクセスしやすい環境を作り出すための活動を続けていく意向です。
参考情報
今回の結果報告書については、SWFIの公式ウェブサイトからダウンロード可能です。詳細な結果や働く女性たちの声をぜひご確認ください。
SWFI公式サイト