夏の新作オペラ
2025-06-23 16:08:55

新国立劇場で初めての多言語オペラ『ナターシャ』が上演決定!

新国立劇場で新たな多言語オペラ『ナターシャ』が幕を開ける



東京都渋谷区に位置する新国立劇場は、この夏、注目を集める新作オペラ『ナターシャ』の世界初演を実施します。細川俊夫が作曲し、多和田葉子が台本を担当するこの作品は、話題の現代音楽として期待されています。日本発の多言語オペラとして開催されるこの公演は、地球環境と人間のエゴについて考えさせる内容です。

世界初演の意義



この新作オペラのテーマは、私たちの現代社会に遍在する環境問題、具体的には人間の欲望が引き起こす地球環境への破壊です。主人公の移民ナターシャと少年アラトの物語は、メフィストの孫と名乗るトリックスターによって、さまざまな「地獄」を巡る旅へと導かれます。その過程で、プラスチック汚染や異常気象といった現代の“地獄”を描き出します。

多和田葉子は、国境や言語、環境といったテーマを扱った作品で高く評価されており、今回のオペラ台本は彼女にとって初の試みです。彼女が「多言語オペラ」の形式に挑戦した結果、36の言語が交差する独創的なストーリーが生まれました。

現代文明への挑戦



『ナターシャ』では、地球のうめきとも言える人間の欲望のしわ寄せが響き渡ります。作品における多言語の使用は、現代文明と人間の始原の姿を対比させつつ、聴衆に深いメッセージを伝えます。

特にライブパフォーマンスに価値を感じる現代のオペラファンにとって、この新作は見逃せないイベントです。作曲家・細川俊夫は、これまで海外の音楽祭や劇場からの委嘱を受けてきましたが、『ナターシャ』は日本での初めての世界初演となります。

高い評価を受けるメンバー



指揮を務めるのは大野和士。彼は、このプロジェクトにおいて細川との相性について語り、「彼は私の最大の理解者であり、最も信頼する指揮者」と述べています。また、ナターシャ役にはソプラノのイルゼ・エーレンスが登場し、彼女は現代音楽の専門家として細川とも深い関係にあります。アラト役には新進気鋭のメゾソプラノである山下裕賀が、メフィストの孫役にはクリスティアン・ミードルが起用されています。

演出と舞台美術の独自性



演出を手掛けるのは、ドイツのオペラ演出家クリスティアン・レート。彼の手による舞台美術と演出は、『ナターシャ』の多様な地獄の表現を引き立て、感情の高潮を生み出します。地獄の様々な側面と内面的な葛藤が舞台上で繰り広げられる様子は、観客にさらなる深みを提供することでしょう。

公演情報



このオペラの公演は2025年8月11日、13日、15日、17日の計4回にわたり、新国立劇場オペラパレスで行われます。演出や音楽だけでなく、観客とのコミュニケーションを大切にした演出によって、自然への畏敬と人間の限界を問う重要な作品となるでしょう。

この夏、日本から世界へ発信される多言語オペラ『ナターシャ』。現代に生きる私たちが直面する問題を考える機会を与えてくれる、感動の舞台になること間違いありません。ぜひとも、多くの観客にお越しいただき、この新たな芸術作品を体感していただきたいと思います。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

関連リンク

サードペディア百科事典: 細川俊夫 新国立劇場 ナターシャ

トピックス(音楽)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。