カンボジアの小児医療の新たな拠点が開院
2023年10月31日、カンボジア・プノンペン近郊に位置する「ジャパンハートアジア小児医療センター」が開院しました。この施設は、日本発の国際医療NGO、特定非営利活動法人ジャパンハートが設立したもので、子どもたちに平等な医療を提供することを目的とした大型無償病院です。
この小児医療センターは「アジア全体の開発途上国と先進国の生存格差をゼロにする」という壮大な目標のもと、2022年からプロジェクトが始まりました。開院までには、5,000人以上の個人や177の法人から寄付を受け、合計で8億円以上の開設費用が集まりました。これは、日本の支援によって実現した医療の希望です。
ドキュメンタリー『情熱大陸』での特集
この新しい医療施設が、MBS/TBS系の人気番組『情熱大陸』で特集されることが決定しました。放送日は12月21日(日)の23時30分で、通常の放送時間と異なります。このドキュメンタリーでは、病院設立に向けて様々な挑戦を続ける医療スタッフたちの奮闘が描かれ、開院に至るまでの試行錯誤や、その背景にある思いを深く掘り下げます。
病院はすでに11月から小児患者の受け入れを開始し、外来診療や手術などの活動を段階的に展開しています。特に注目すべきは、著しい生存率格差が問題視されている小児がんに対する無償治療です。これにより、経済的な理由で治療を受けられない子どもたちの命を救い、持続可能な医療の実現に向けて現地医療スタッフの育成にも取り組んでいます。
地域に根付いた医療支援
新しいセンターは、タクマウ市に位置し、2025年に開業したばかりの国際空港にも近い場所にあります。これは、アジア周辺国から訪れる患者にとってもアクセスしやすい立地です。また、この病院は「子どもが来たくなる病院」という理念のもと、患者やその家族の生活の質の向上を目指した独自の取り組みを進めています。このように、病院が単なる医療の場であることにとどまらず、心のケアにも取り組むことが期待されています。
今後の展望
アジア小児医療センターの設立は、ジャパンハートにとって最大の挑戦の一つです。創立から19年、延べ5,000名を超える個人や法人からの支援を受け、子どもたちの命に真摯に向き合ってきた同団体は、今後も困難に立ち向かいながら、多くの子どもたちとその家族に希望をもたらす活動を続けていくことでしょう。このセンターの開院が、カンボジア及びアジア全体にとって大きな転機となることを期待しています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
ジャパンハートアジア小児医療センター