異色ドキュメンタリー番組『ハートフルワールド』が京都の生活を描く
10月25日(土)、新しいエピソードが放送される異色のドキュメンタリー番組『ハートフルワールド』。今回は、前回の放送に引き続き、災害時の土砂をせき止めるために建設された「京都・紙屋川砂防ダム」をテーマにした後編をお届けします。この番組は、我々が普段は目にすることの少ない人々の日常とその裏側を掘り下げることを目的としています。
住民たちのリアルな人生を探る
今回の放送では、取材を行ってから1年かけて集めた住民たちのストーリーに焦点が当てられます。特に注目されるのは、約50年前からこの地で暮らす78歳の在日コリアンの女性です。彼女は韓国の伝統楽器「チャング」を演奏し、そのスキルを生かして生活を支えてきました。そして、彼女がその舞台で演奏していた場面の一つが“ヤクザの宴会”であったというのです。引き締まった生活を余儀なくされた彼女の言葉には、深い人生の哲学が垣間見えます。
「怖いなんて言うてられるか、家が貧乏やのに」
彼女の仕事への情熱と、両親への特別な想いが、この言葉から強く伝わります。彼女の物語は、単なる演奏者のストーリーではなく、思い出や感情に彩られた人間ドラマそのものです。
番組には、彼女の他にもさまざまな住民が登場し、それぞれの背景や思いを語ります。取材を通じて、私たちは彼らが抱える複雑な感情を理解することができるでしょう。
ディレクターとMCのコメント
スタジオMCのヒコロヒーは、「続きが気になるところから始まり、ああこんなところも撮らせてくれたのかという思いがあります。しぶといディレクターの取材力の賜物でした」と語ります。彼女自身もこの独自な視点からの取材に心を動かされているようです。
ディレクターの下野賢志は、一部の動画配信等でダムに住む人々に対する厳しい意見が存在することを踏まえ、その声とは異なる彼らの姿をしっかりと伝えることの重要性を強調しました。「本作を通じて、まずは一人ひとりの想いや背景に耳を傾けていただけたらうれしい」と彼の想いが込められています。
放送情報
新作『ハートフルワールド』の放送は、2025年10月25日(土)の午後4時30分から30分間の予定です。CBCローカルエリアで放送され、放送後はTVerでオンデマンド配信も行われます。翌日からは各種動画配信サービスでも見逃し配信が始まります。これらのサービスを通して、より多くの人々にこのドキュメンタリーが届くことでしょう。
これまで見えなかった「紙屋川砂防ダム」の住民たちの生活に深く迫るこの番組。放送をお見逃しなく、ぜひご覧ください。
ハートフルワールド番組HP
公式Twitter
次回の放送予定は、11月1日(土)17時からの予定です。