ヒュンメルオー、2026SSコレクションで新たなスポーツウェアの潮流を提案

HUMMEL 00（ヒュンメルオー）の2026SSコレクション

2026年春夏シーズンに向けて、ヒュンメルオーが新たなコレクションを発表しました。このブランドは1923年に設立され、スポーツウェアに革新的なデザインを取り入れることで知られています。そのコレクションでは、スポーツの伝統と現代生活を結びつけるデザインが特徴的です。特にクリエイティブディレクターの森川マサノリ氏が注力したのは、デンマークの文化に根ざした穏やかさを現代のライフスタイルに融合させることです。

彼は、「サッカースパイクから始まったブランドのレガシーに向き合う中で、人体構造への興味が湧いてきた」と語ります。実際、森川氏は人体解剖学的なアプローチで、服のパターンを設計しました。筋繊維や関節の形状を模したテーピングやパイピングが施されたジャケットやパンツ、骨格筋の構造を再現したシャツやカットソーが開発され、人体の動きに基づいたデザインが展開されます。さらに、立体裁断を用い器用に構成されたスウェットセットアップが特徴的です。

カラーパレットは黒とグレーを中心としたシックな色合いで、素材にはジャージーやナイロンタフタなどのスタンダードなスポーツウェア素材を使用。バンブルビーとシェブロンのアイコニックなモチーフは、シンプルな糸の刺繍により衣服自体の構造を際立たせる表現にとどめました。

Hygge（ヒュッゲ）と親密な空間

デンマーク文化に密接に関連する「Hygge」は、他者と過ごす親密で居心地の良い時間を示す言葉です。この概念は、ヒュンメルオーの新しいコレクションに色濃く反映されています。特に、1968年に設立されたデンマークのテキスタイル会社Kvadratの素材を採用し、厚手のメッシュ生地を用いたダブルフェイスのスウィングトップスやハーフパンツが登場しました。ドットの刺繍が施されたシャツは、軽やかな印象を与えつつも、従来のカジュアルウェアとは異なる温かみを持っています。

このコレクションでは、快適な住環境でリラックスするための雰囲気を持つ重厚なファブリックが使用され、そのデザインに「Hygge」の精神が息づいています。健やかな精神と肉体の結びつきをテーマに、ウェルネスとしてのスポーツを捉えるヒュンメルの姿勢が根底にあります。

ヒュンメルオーの2026SSコレクションは、現代的なカジュアルウェアの新しい形を提示し、ブランドのコアを再提示する象徴的な事例です。これにより、100年にわたるブランドのストーリーが現代社会と交わる可能性を証明しています。ヒュンメルオーの魅力的なデザインが、今後のスポーツウェアの潮流にどのように影響を与えるのか、目が離せません。