違法アップローダーへの開示命令が東京地裁で確定、音楽権利保護に新たな一歩

違法アップローダーへの開示命令が発令

2025年11月19日、東京地方裁判所は特定のインターネットサービスプロバイダに対して、違法に音楽ファイルをアップロードしていたユーザーの発信者情報を開示する判決を下した。この判決は、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を使用して音源を継続的に無断で公開していた利用者に関するもので、音楽権利の保護を目指すものだ。

判決の背景

本件訴訟は、音楽権利を守るために設立された協会の会員レコード会社が、著作隣接権の侵害に対して行ったものである。彼らは、自身の権利を有する音源がネット上で無断で配信されることに対抗するため、特定のプロバイダに対して発信者情報の開示を求めていた。さまざまなプロバイダに対する開示請求の結果、東京地裁での訴訟が生じることになった。

一部のプロバイダは開示要求に応じなかったため、裁判所が介入する形となり、今回の判決が下された。これにより、音源の権利を管理する側にとっては大きな一歩となる。

判決の詳細

東京地裁の判決によって、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は、違法ユーザーの名前や住所などの発信者情報を開示するよう命じられた。この情報は、権利者側が行う損害賠償請求の基礎とされる。実際、当協会は17のIPアドレスから発信者情報を得て、すでに9名の違法アップローダーと損害賠償に関する合意を築いているという。

音楽権利の未来と対応

当協会及びその会員レコード会社は、今後も違法アップロードに対して厳格に対応し、音楽配信市場の健全な発展を図る意向を示している。具体的には、著作権侵害行為に対する捜査を強化し、必要に応じて法的措置を講じていく考えだ。

判決が示すように、インターネット上での音楽配信に関する著作権問題は依然として複雑で根深いものであり、今後も様々な形で注目され続けるだろう。音楽業界にとっても、こうした法的措置は権利を守るための重要な手段であり、健全な配信文化を維持していくための努力が求められ続ける。