名古屋で再生可能エネルギーを活用したローソンリニューアル
名古屋市の中川区に位置するローソン中川野田二丁目店が、2023年12月1日にリニューアルオープンします。この新店舗では、再生可能エネルギーの導入を進め、CO₂排出量の削減を目指す実証実験が開始される予定です。本記事では、この取り組みについて詳しくご紹介します。
5社の協力による様々な取り組み
本プロジェクトは、愛知県に本社を置く株式会社アイシンと、東京都のMCリテールエナジー、中部電力、中部電力ミライズ、ローソンの5社による共同作業で実現しています。特に中部電力ミライズとローソンは、2025年9月に締結した基本協定に基づいて取り組んでおり、具体的には再生可能エネルギーを最大限に活用することを目的としています。
このリニューアルオープンでは、店舗屋根や窓枠に複数の太陽光発電設備を設置し、そこで生成された電力を店内で利用します。消費しきれない余剰電力は駐車場に設けられた蓄電池に蓄え、夜間に活用することで、再エネからの電力利用が促進されます。これにより、年間の消費電力量の約14%が再生可能エネルギーで賄われる見込みです。
店内設備のエネルギー効率化
さらに、店舗内の冷蔵・冷凍ショーケースにはガラス扉とアクリル扉が設置され、エネルギー効率の向上が図られます。これにより、CO₂排出量の削減も期待されています。万が一、災害による停電が発生した際には、蓄電池に貯めた電力を用いてPOSレジや照明施設の電力供給を確保し、社会インフラとしての機能が維持されることも重要なポイントです。
ペロブスカイト太陽電池の実証実験
また、本プロジェクトのもう一つの注目点は、アイシンが提供するペロブスカイト太陽電池の導入です。これは、軽量で設置しやすいため、従来の太陽電池では設置が困難だった場所にも対応可能です。アイシン社と中部電力は、このペロブスカイト太陽電池の設置方法や発電効果の分析を通して、社会実装に向けた検証を行い、その結果に基づいた技術の進化が期待されています。
デマンドレスポンスによる需給調整
さらに、MCリテールエナジーによるデマンドレスポンス(DR)も重要な取り組みです。DRとは、電力の需給バランスを調整し、再生可能エネルギーを効果的に活用するためのシステムです。蓄電池の充放電を遠隔で制御することで、店舗従業員が操作を行わずに、効率的に電力の使用を調整できるようになります。
未来を見据えた新たな試み
名古屋のローソン中川野田二丁目店は、再生可能エネルギーの活用だけでなく、災害時のレジリエンス向上を同時に目指す先進的な店舗となります。これにより、エネルギーの持続可能な利用が求められる現代において、新たなモデルケースになることでしょう。今後もこのような取り組みが全国で広がることを期待したいところです。