谷川俊太郎さんをしのぶ合唱プロジェクトが「This is MECENAT」に認定
詩人・谷川俊太郎さんの作品を背景にした合唱プロジェクト「どこからか言葉が」が、公益社団法人企業メセナ協議会の2025年度「This is MECENAT」に認定されたことが発表されました。このプロジェクトは、谷川さんが2016年から連載していた詩の作品を基に、様々な作曲家が合唱曲を生成するというものです。
プロジェクトの背景と構成
谷川俊太郎さんは日本の詩界において非常に重要な存在であり、多くの作品が合唱曲として親しまれています。昨年11月に彼が亡くなったことを受けて、合唱プロジェクトがスタートしました。この取り組みの目的は、彼の詩を音楽を通じて表現し続けることにあります。具体的には、作品の選定を行った著名な作曲家6人がそれぞれのスタイルで曲を創作し、2026年3月22日には東京の文京シビックホールにて合唱コンサートが予定されています。
このコンサートでは、合唱団と共に谷川さんの合唱曲を披露するだけでなく、来場者も一緒に歌う機会を設ける予定です。「どこからか言葉が」の詩を通じて、観客が一体感を持てるような体験を提供したいという願いが込められています。
参加作曲家と初演の準備
特に注目されるのは、混声合唱として新実徳英さんと信長貴富さん、男声合唱の木下牧子さん、女声合唱の瑞慶覧尚子さんと面川倫一さん、そして児童合唱では松本望さんがそれぞれ新たな曲を創作することです。これらの曲はすべて2025年の9月末までに完成され、来年のコンサートで初めてその音色が響き渡ることになります。さらに、谷川さんの長男・賢作さんによる詩の朗読も行われ、彼の人柄や業績を称える場となることを目指しています。
「This is MECENAT」とは
公益社団法人企業メセナ協議会によって運営される「This is MECENAT」は、企業が行う芸術文化に関わるメセナ活動を認定する制度です。合唱プロジェクトが認定されたことで、その社会的意義や取り組みの重要性が広く知られる機会となります。この制度は、全国各地で展開されるメセナ活動の一環であり、2014年に始まったものです。「これぞメセナ」と認められたプロジェクトにはシンボルマークが授与されます。
コンサートの公表と今後の展開
コンサートの詳細やチケットの情報については、随時朝日新聞等で告知される予定です。谷川俊太郎さんの作品を再評価しつつ、未来への期待を込めたこの取り組みは、音楽と文学の深化した結びつきを観客とともに楽しむ機会になるでしょう。その美しい合唱の響きが、皆さまの心にも届くことを期待しています。