新たな音楽体験を提供する展覧会『Glow Within』が銀座で実現
日本の音楽シーンの重鎮、Cornelius(小山田圭吾)と13人の作家による待望の展覧会『Glow Within -Corneliusと13人の作家の声-』が、2025年7月24日から東京・銀座のHERALBONY LABORATORY GINZA GALLERYにて開催されます。このプロジェクトは、障害のある人々の表現を見つめ直し、音楽を通じて彼らの「声」を世界に伝える試みです。
ROUTINE RECORDSの最新プロジェクト
本展覧会は、株式会社ヘラルボニーが展開する音楽レーベル「ROUTINE RECORDS」の第2弾として位置づけられています。このレーベルは、障害のある人々の日常に伴う「ルーティン」と呼ばれる行動に焦点を当て、その中に潜む音を音楽として表現します。これまでに展開されたプロジェクトでの経験を基に、Corneliusとのコラボレーションが実現しました。
展覧会の中央には、今回のために作られた楽曲「Glow Within」があり、音楽と映像が融合する特別な空間が設けられます。観客は、知的障害のある作家たちが創作する中で生まれた音や声のリズムを感じることができるのです。
知的障害を持つ作家たちの声
知的障害を持つ人々は、しばしば独自のルーティンに沿った行動を繰り返します。一見すると理解が難しいこの行動も、彼らにとっては重要なリズムを形成しています。本展覧会は、こうした日常の音に耳を傾け、理解を深める場を提供します。
今回の音楽素材は、ヘラルボニーの契約作家13名が創作を通じて生み出した音から成り立っています。これらの「日常音」を音楽として昇華させ、普段は交わることの少ない知的障害を持つ人々と社会の垣根を取り除くことを目指しています。
1年半の共同制作の軌跡
このプロジェクトは、約1年半にわたるCorneliusとの対話を通じて形成されました。特に印象的なのは、2021年の東京オリンピックに際しての小山田氏への松田崇弥の手紙です。この手紙を契機に、彼らは福祉施設を訪れ、作家たちの創作現場に触れる機会を得ました。音楽制作を通じて障害を持つ人々との対話が進む中で、社会の目を変えていく試みが展開されています。
松田は、過去の偏見や壁を乗り越えようとする意志を表明し、作家たちの「音」を通して社会との新たな接点を築くことに情熱を注いでいます。彼の兄も重度の知的障害を持っており、その体験を背景にこのプロジェクトへの思いが強まっています。
展覧会の魅力
『Glow Within』では、Corneliusによる楽曲を映像と共に体験できる特別な空間が展開されます。作家たちの創作風景や息遣いを感じる展示が構成され、日々のルーティンの中に宿る創造の源に触れることができます。
開催概要
- - 会期: 2025年7月24日(木)〜8月11日(月)
- - 時間: 11:00〜19:00(定休日: 火曜日)
- - 場所: HERALBONY LABORATORY GINZA GALLERY(東京都中央区銀座2丁目5-16 銀富ビル1F)
- - 入場料: 無料
このプロジェクトを通じて、知的障害への理解が深まることを期待しています。皆さんもぜひ、彼らの「声」に耳を傾けてみてください。