ジュリーの沈黙
2025-06-25 14:48:46

ベルギーの俊才が描く青春の苦悩、映画『ジュリーは沈黙したままで』公開決定

ベルギー発、心の闇に迫る注目作『ジュリーは沈黙したままで』



2025年アカデミー賞国際長編映画賞のベルギー代表に選出されるなど、多くの評価を受けている映画『ジュリーは沈黙したままで』の公開日が、2025年10月3日(金)に決定しました。この作品は、ベルギーの新鋭監督レオナルド・ヴァン・デイルによる長編デビュー作であり、今後の映画界での活躍が期待される一作です。

監督は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された短編『STEPHANIE』(20)で注目を集めました。その後の彼の作品に共感したのは、あのテニス界のスター・大坂なおみです。大坂は、彼女のメンタルヘルスに関する発言から大きな影響を受けたことを明かし、エグゼクティブ・プロデューサーとしてクリエイティブな部分でも支援しています。

本作のストーリーは、15歳の少女ジュリーが信頼していたコーチの突然の指導停止を受け、彼の教え子が命を絶った事件を巡る噂にさらされるところから始まります。ジュリーは、テニスというスポーツを通じて自身の目標を追求しつつも、彼女に課せられた重圧と沈黙の意味に苦しむ姿を描いています。彼女の心の葛藤を通じて、観客は社会の厳しい現実を知ることになるでしょう。

特に、監督がスポーツ界における子どもたちの扱われ方に問題意識を持っていることが作品の核となっています。ジュリーを演じるのは、実生活でも若きテニス選手であるテッサ・ヴァン・デン・ブルック。彼女の演技は、単なるスポーツの勝敗以上のものを持っており、観客に深い感情的なインパクトを与えます。

さらに、映画では全編にわたり、ノンプロの俳優たちが出演しています。実際のテニスクラブの仲間たちが役に挑むことで、リアルな緊張感と自発性を生み出しており、ジュリーが直面する困難な状況をより強く表現しています。監督のこだわりによって、彼らとの関係も深まっていったと言われています。

映像美も見逃せません。本作は、ニコラス・カラカトサニスが手がけた35mmと65mmフィルムで撮影され、静かなカメラワークと自然光の使い方がジュリーの心的状況を見事に映し出します。緊張館のあるスコアは、アメリカの現代クラシック作曲家キャロライン・ショウによるもので、映画全体の雰囲気を一層引き立てています。

本作に関するシーン画像も解禁されており、筋トレに励むジュリーの姿や、練習に取り組む様子など、彼女の普段のルーティーンが鮮明に映し出されています。監督の声明では、「沈黙することがなぜ重要か、耳を傾けてほしい」と訴えかけており、現代社会が抱える情報過多の中で、沈黙の持つ深い意味について考える作品となっています。

この映画は、単なるスポーツの物語ではなく、思春期の揺れ動く心の傍らに寄り添う、人生の様々な局面における選択と向き合う姿を描いています。ジュリーの沈黙は、あなた自身の心の中の「沈黙」とも響き合う部分があるかもしれません。公開が待ち遠しい一作です。


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