音楽と詩の出会い、特別な旅の始まり
2026年11月から12月にかけて、加古隆コンサート「銀河の旅びと~宮沢賢治と私」が大阪、神奈川、岩手の各地で開催される。このコンサートは「賢治から聴こえる音楽」をテーマに、宮沢賢治の詩や童話の美しい言葉と加古隆の音楽が交わり、新たな音楽作品として表現されることを目指している。
日本を代表する二人のアーティスト、加古隆と宮沢賢治の融合した世界を紐解くため、音楽家・加古隆に直接お話を伺った。
宮沢賢治との初めての出会い
子供の頃から宮沢賢治の作品に親しんできた加古隆だが、特別なファンというわけではなかった。しかし、ヨーロッパに滞在していたある冬の日、偶然手にした賢治の短編集が彼の心を深く揺さぶった。それは、雨の日の閉ざされた空間の中で、彼を瞬時に東北の自然へと誘うような爽やかな体験だった。「彼の自然描写には、命が宿っているように感じられた」と加古は語る。自然と宇宙への憧れがたけなわであった賢治の他、加古自身もその感覚を持ち合わせており、二人の共鳴が深いことを示唆している。
パリで得た多様な影響
東京藝術大学大学院を経て、パリ国立高等音楽院で作曲を学んだ加古は、その経験が現在の音楽にも大きな影響を与えたと振り返る。「日本を客観視することができたからこそ、日本人である自分の感性を見失わずにいられた」と彼は力を込める。やがて、賢治の作品が持つ日本的な世界観と、彼自身の音楽が響き合うのは自然な成り行きだった。
コンサートへの情熱
今回のコンサートでは、1988年に発表した作品「Kenji」がベースとなっている。その後レパートリーから外れていたが、50周年を迎えた今年、再び賢治に焦点を当てた作品をリバイバルすることになった。「音楽というのは年を取らない」と話し、演奏した際の音楽の美しさが変わらなかったことにも満足感を覗かせた。
「言葉」と「音楽」を交錯させたコンサートの形式は、言葉が主役、音楽が脇役といった既存の枠を打ち破り、お互いが照らし合う特別な瞬間を生み出す。このプロジェクトの魅力は、賢治の言葉が持つ深い意味や彼の風景描写が、音楽と融合するところにある。
賢治との出会いが与えた影響
加古にとって、宮沢賢治との出会いは非常に重要だったという。「もともと、言葉は難しい相手だったが、賢治の作品を通じて言葉を音楽に変換する楽しさを知った」と話す。彼の音楽が生まれる際、賢治が表現する透明感や純粋さが背後にあると感じており、音楽と詩は同じ源から溢れるもの同士だと強調する。
コンサートへの熱い思い
「銀河の旅びと~宮沢賢治と私」では、賢治が生み出す世界観と自らの音楽が共鳴し合い、心に響く深い感動を届けたいとの思いを抱く加古。コンサートは、ただの音楽を超え、観客に特別な瞬間を届けることを目的としている。「是非、ライブを体験して欲しい」と力強く語りかける。
公式情報
- - 大阪公演: 2026年11月7日(土) 住友生命いずみホール
- - 神奈川公演: 2026年11月14日(土) 神奈川県立音楽堂
- - 岩手公演: 2026年11月28日(土) 盛岡市民文化ホール
- - 料金: ¥7,700(全席指定、税込)
この特別なコンサートが、宮沢賢治の豊かな世界を新たに体験できる場となることを期待している。加古隆と賢治が紡ぎ出す美しい音楽の物語を、ぜひ直に感じてほしい。
公式ホームページ:
加古隆コンサート公式