フェンディの支援で生まれ変わるディアナ洞窟
イタリアのラグジュアリーブランド、フェンディ(FENDI)による支援を受け、ティボリ(Tivoli)のヴィラ・デステ(Villa d’Este)内にある「ディアナ洞窟(the Grotto of Diana)」が2025年5月6日(火)に再び一般公開されることが決まりました。約50年間閉ざされていたこの場所は、文化遺産を保護する自治機関VILLÆの熱心な努力とフェンディからの支援により、再び人々の目に触れることとなります。
歴史的背景と修復の意義
ディアナ洞窟は、1550年代に多くの職人の手によって築かれましたが、1980年代からその扉は閉ざされていました。長い間忘れられたこの場所が再び現れた背景には、2023年から始まった詳細な調査と修復作業があります。これにより、ヴィラ・デステの持つ壮麗な美しさと、先人たちの文化的ビジョンを明らかにし、遺産としての価値を再確認することが狙いです。
アンドレア・ブルチャーティ(Andrea Bruciati)はこの修復について「ディアナ洞窟」の公開再開が、過去の文化を未来につなぐ架け橋であると語ります。「美術史とは、過去と現在をつなぎ、未来の世代に受け継ぐ重要なプロセスです。この取り組みは、フェンディのサポートなくしては実現できなかった」とも述べています。
フェンディの文化への愛
フェンディのデザイン責任者、シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)は、「この修復は、イタリアの文化遺産に対する愛の表現です。創業100周年を迎える今年、このプロジェクトは特に意味深いものです」と強調します。彼女はこの取り組みが、ローマに根ざすフェンディの精神を象徴するものだと述べ、過去の資源を未来へと引き継ぐ重要性を再認識させます。
大胆なデザインと装飾
ディアナ洞窟は、優れた装飾と美しい空間配置によって知られています。内部は十字型の形状を持ち、アーチ天井に支えられたカリアティード(カリアティードとは女性の姿をした柱)が印象的です。各アームの壁龕には、岩を背景にした噴水が配されており、豊かな装飾が施されています。さらに、洞窟の装飾には貝殻やガラスペースト、半貴石などが使用されており、それぞれが光の効果をもたらすように計算されています。
修復作業の詳細
修復作業は2023年秋に始まり、洞窟の内部と外壁を強化することを目指しています。長年の風雨にさらされ、損傷を受けた部分を修復しつつ、空間全体を再生することに特化しています。特に重要な点は、ローマの美しい景色を見渡せるロッジアにガラスパネルを設置し、洞窟を浸食から保護することです。この新しい照明システムは、空間に変化をもたらし、ディアナ洞窟本来の魅力を再発見させるための重要な要素とされています。
未来の文化遺産
「ディアナ洞窟」の再公開は、ただの修復を超えた意味を持つものです。文化の損失と放置に対抗し、過去の遺産を未来へつなげるこのプロジェクトは、芸術と自然が融合した場所を再生させます。フェンディの支援によって、ディアナ洞窟は新たな命を得るだけでなく、来るべき世代に向けての貴重な文化遺産としての役割を果たします。訪問者は、美しい造形美と歴史が息づくこの空間を存分に楽しむことができるでしょう。
場所情報
ヴィラ・デステ
Piazza Trento, 5 00019 Tivoli, Rome, Italy
電話番号: +39 07745589
公式URL:
ヴィラ・デステ公式サイト