未来技術遺産登録
2025-09-10 16:38:17

丸茂電機の舞台照明装置、未来技術遺産に登録される意義

丸茂電機の舞台照明装置、未来技術遺産に登録される意義



舞台芸術の世界が新たな記録を刻みました。舞台照明用の調光装置として、戦前に丸茂電機が製造した3件の機器が、国立科学博物館の重要科学技術史資料、通称「未来技術遺産」として登録されたのです。これは舞台芸術分野において初の登録となり、非常に重要な意義を持っています。

登録された装置とは



今回登録されたのは以下の3件です。まず初めに『U 型多分岐式調光変圧器』(東京宝塚劇場納入)。1933年に製造され、東京の宝塚歌劇用に導入されました。また『U 型多分岐式調光変圧器と調光操作盤』(京都弥栄会館納入)と『CR型変圧器式調光装置』(同じく弥栄会館納入)も含まれます。これらは、30年以上にわたって国内の舞台照明用調光装置の主流として使用されました。

舞台照明の革新



特に注目されるのは、『U 型多分岐式調光変圧器』が持つ技術的な革新です。この装置は複数の端子を用いて電圧を分割し、1台の装置で多様な調光ができる仕組みを採用。これにより、従来必要であった抵抗器が不要になりました。電力損失も少なく、安定した調光が可能になり、その結果として観客により優れた視覚体験を提供しました。

歴史的背景と展望



1934年1月、東京宝塚劇場が新たに開場しました。この建物は当時のヨーロッパの劇場を模範としつつ、日本の舞台照明設備の礎を築いたともいわれています。舞台側から客席に贈る照明操作室の配置を変え、視覚的効果を最大限に引き出す試みなども評価されています。次いで弥栄会館で使用されていた2つの装置も、今なお多くの人々に親しまれる文化の一部となっています。

これらの装置は単なる機器ではなく、歴史的な文化遺産でもあります。国立科学博物館が設定した「未来技術遺産」に登録することにより、その技術がどのように進化してきたかを後世に伝える重要な役割を果たしています。

丸茂電機の歩み



丸茂電機は、1919年に創業。以来、舞台やテレビの演出照明設備を手掛け、数々の名劇場に設備を提供しています。設立当初から、舞台の光の魔法を創り出す技術者たちが集い、その技術は今も受け継がれています。日本国内外での舞台照明の改善や革新に寄与し続けている企業です。

今後は更なる技術革新を期しつつ、過去からの教訓を活かし、新たな舞台芸術の未来を創りあげていくことが期待されます。舞台照明用の調光装置が未来技術遺産として認められたことは、丸茂電機だけでなく、全ての舞台芸術に関わる人々にも新たな希望をもたらすものとなりました。歴史的な美と技術が融合したこの瞬間を皆で祝い、次の世代に受け継いでいきたいものです。


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