Spiber、イタリア高級繊維メーカーとの新パートナーシップ発表
Spiber株式会社は、この際、イタリアの高級繊維メーカーであるManifattura Sesia社およびAchille Pinto社との新たな提携を発表しました。このコラボレーションでは、植物系の原料を元にした独自の発酵技術を用いて開発したプロテイン繊維「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン™)ファイバー」が使用されます。
Manifattura Sesiaとの協力
マンファットゥーラ・セシア社は、環境負荷を考慮した責任ある素材選びと高品質な糸作りで知られています。このパートナーシップでは、Brewed Protein™ファイバーを30%含む「T-Gen(Technological Generation Yarns)」という新しい糸が開発されました。この糸は、RWS(Responsible Wool Standard)およびNativa認証のメリノウールとブレンドされています。
同社のクリエイティブディレクター、キアラ・セッラ氏は、自社の糸開発への誇りを語り、「T-Genは、非常にソフトな手触りで、純ウールに比べて軽量かつ、技術的にも興味深い特性を持っています。この糸は持続可能なテキスタイルソリューションを追求する上での新たな一歩です」と述べました。さらに、この糸には3つのバリエーションがあり、様々な用途に応じた展開が期待されています。
Achille Pintoとの協力
一方、Achille Pinto社との協力では、Brewed Protein™ファイバーを15%から30%含むシルクやウールとの混紡生地コレクションが開発されました。この新しい生地は、欧州で初めてのBrewed Protein™ファイバーを使用したプリント技術を確立し、スカーフやショールといったアクセサリー用途に最適です。顧客のニーズに応じたカスタマイズも可能で、ますます多様な市場に対応しています。
Spiberのさらなる提携事例
今回の提携に加え、Spiberは他のパートナー企業とも連携し、新たな糸や生地コレクションを発表します。例えば、Zegna Baruffa Lane Borgosesia社は、Brewed Protein™ファイバーを用いた新しい糸を2種類開発しました。これらの糸はそれぞれ異なる仕上げが施され、高品質なニット用途に最適なものとなっています。。
また、Botto Giuseppe社は、完全に100%のBrewed Protein™ファイバーを用いた糸をリニューアルし、豊富なカラーバリエーションを提供しています。さらに、Marzotto Group社は、「FiberPro」コレクションを刷新し、30%のBrewed Protein™ファイバーを含む素材をラインナップしています。
愛知県の繊維商社、瀧定名古屋株式会社は、20種類以上の新しい生地コレクションを開発し、その中には初の100% Brewed Protein™ファイバーによるスーツ用生地も含まれています。
展示会での新コレクション発表
新開発の糸や生地は、7月1日から3日までフィレンツェで開催されるニット糸・生地の見本市「Pitti Filati」や、7月8日から10日までの「Milano Unica」において展示される予定です。Spiberは欧州での存在感をさらに強化し、アパレル業界の持続可能な進展に寄与することを目指して、Brewed Protein™ファイバーの普及を加速させています。
Brewed Protein™ファイバーとは
Brewed Protein™ファイバーは、Spiberが開発した上質な繊維素材であり、循環型のものづくりを実現するための新しい素材カテゴリーの一部です。植物由来の原料と精密な発酵プロセスにより、従来の素材に比べ環境への影響を軽減できると期待されています。この新素材は、さまざまな分野での応用が期待され、持続可能で高性能な素材の実現に向けた重要な鍵となっています。
まとめ
Spiber株式会社は、イタリアの高級繊維メーカーと手を組むことにより、持続可能なテキスタイル業界の変革に寄与し、革新的な素材開発を推進しています。この新しいパートナーシップは、まさに未来の糸と生地を形成するスタートとなるでしょう。