トヨタ・ランドクルーザーの開発者が語る「あの名車」の知られざる歴史
毎週土曜日に放送中のBS日テレの人気番組「おぎやはぎの愛車遍歴」では、6月21日に特別企画として「愛車遍歴的 名車年代記」が放送される。この回には、トヨタ・ランドクルーザーの開発責任者として長年活躍した小鑓貞嘉(こやり さだよし)さんが登場し、名車ランドクルーザーの魅力と歴史について解説する。
ランドクルーザー誕生の背景
小鑓さんは1985年にトヨタに入社し、実に40年にわたるキャリアの中で30年をランクルの開発に捧げてきた。彼は「Mr.ランドクルーザー」として知られ、番組では古代、中世、近世、近代、現代と時代を超えてランクルの歴史を振り返る。1951年に販売されたBJシリーズから始まったランドクルーザーは、当初は軍用車としてデザインされたが、時代のニーズに合わせて一般向けのデザインへと進化。これにより、20シリーズ、40シリーズといった多彩なバリエーションが生まれた。
特に40シリーズは、発売から24年の長きにわたり販売され、世界中で100万台以上を生産した。番組内でMCのおぎやはぎが紹介するのは、この40シリーズ。矢作には、かつてアルバイト先の友人のお父さんから譲り受ける約束をしていた思い出があり、その実現が叶わなかった過去のエピソードも交えられる。
頼れる「壊れないクルマ」
ランクルの特徴の一つは、その圧倒的な耐久性だ。「壊れないクルマって、どう造るんですか?」という矢作の問いに対し、小鑓さんは独自の厳しい検査基準と実車試験の重要性を説明する。「最後は人が乗るクルマですから、命が懸かっていますからね」と語る姿からは、開発にかける情熱と責任感がひしひしと伝わってくる。
小鑓さんが出会ったユーザーの中には、4世代にわたって同じランドクルーザーを乗り継いでいる家族もいる。その走行距離には、番組を見ているおぎやはぎも驚愕の表情を浮かべる。矢作は「ありえなくもないなって思っちゃうのもすごいよね。ランクルだから」と、信頼性の高さを実感する。
ランドクルーザーの進化と伝説
80年代になると、中世のランクルは3つのスタイルに分けられ、特に70シリーズが登場。小鑓さんはこのシリーズを「ランクルの幹」として非常に重要視している。また、彼自身が関わった70シリーズは、ニーズの変化により2004年に日本での販売が一旦終了。しかし、10年後に小鑓さんの努力によって復活を果たすという驚きの逸話がある。役員たちを説得するための彼の秘策とは一体何だったのか?
未来へとつながる理念
昨年、開発責任者の座を退いた小鑓さんは「変えずにブレずに進化していくのがランクルの世界」と語り、未来の開発者たちに向けてメッセージを託す。彼の情熱に溢れた語りには、ランドクルーザーの歴史だけでなく、愛から生まれる信念が込められているかのようだ。
これからも続いていくランドクルーザーの冒険と進化。その魅力を余すことなく伝える「おぎやはぎの愛車遍歴」は、愛車を通じて人生そのものを見つめ直す貴重な時間となるだろう。ぜひ、この放送をお見逃しなく!