三島由紀夫生誕100周年記念朗読公演
2025年の春、有楽町朝日ホールで特別な朗読公演が開催されることが決まりました。この公演は、著名な作家三島由紀夫の生誕100周年を祝うものであり、彼の傑作『近代能楽集』から『邯鄲』と『葵上』が上演されます。演出は大河内直子氏が担当し、三島の作品を新たな視点から読み解く試みに注目です。
三島由紀夫と『近代能楽集』
三島由紀夫は、ストレートな言葉だけでなく、象徴的な作品や舞台を通じて日本文化を深く体現しました。『近代能楽集』は、彼が能の形式を借りて現代劇として巧みに翻案したもので、1950年に『邯鄲』が発表され、その後『葵上』をはじめとする数々の作品が生まれました。これらは国内外で広く上演され、今なお多くの人々に感動を与えています。
公演の詳細とキャスト
演出を務める大河内直子氏は、故蜷川幸雄氏の元で演出助手として活躍した実績を持つ注目の演出家です。彼女の新たな手法により、三島の名作たちがどのように現代に息を吹き込まれるのか、一層の期待が高まります。
出演者には、実力派の俳優陣が揃い、朝海ひかる、多和田任益、中尾暢樹、田野聖子らがキャスティングされています。それぞれが物語の中でどのような役割を果たし、観客の心を掴むのか必見です。
『邯鄲』と『葵上』のあらすじ
『邯鄲』
『邯鄲』では次郎という青年が登場します。彼は自身の乳母である菊が持っていた不思議な枕を知り、10年ぶりに彼女を訪ねることに。枕には、夢を見た後に全てが無意味に感じるという宿命が宿っていました。次郎は、その夢の中で幻想的な美女たちや老国手たちとの不思議な会話を体験します。果たして彼が目覚めた時、どのような感情が待っているのでしょうか。
『葵上』
一方、『葵上』は深夜の病室を舞台にした物語です。病に苦しむ葵のもとに、彼女の夫である若林光が訪れますが、看護婦の報告によると、毎晩謎の中年女性が見舞いに来ているとのこと。彼女は光の昔の恋人、康子でした。幼い思い出に囚われる光と、苦しむ葵との間で展開される緊迫した情緒が心を揺さぶります。
公演日程・会場
朗読公演は2025年5月13日と14日の二日間、そして有楽町朝日ホールで行われます。普段とはひと味違った公演を体験できる貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでみてください。
チケット情報
入場料は一般が8,800円、学生は5,500円となっており、2025年4月19日から一般発売が開始される予定です。チケット購入は、チケットぴあやイープラスのウェブサイトでできるので、早めの予約をおすすめします。
まとめ
三島由紀夫演劇の真髄を体感できる朗読公演は、彼の作品の深みと魅力を新たに発見する機会となるでしょう。この特別な公演にぜひご注目ください。