忍者不足の救世主現る！北海道登別伊達時代村で繰り広げられる新感覚忍者アクション

忍者不足の救世主現る！

2024年、北海道の登別伊達時代村で新たな風が舞い込む。訪日外国人の増加に伴い、忍者のアクションショーがその人気を呼んでいる。しかし、その舞台裏には人員不足という深刻な問題が潜んでいる。そんな中、19歳の新人、穴澤維穏（いおん）さんが注目を浴びている。彼女の奮闘を通じて、忍者ショーの未来を見つめてみよう。

忍者アクションショーの新たなスタート

登別伊達時代村は1992年にオープンし、江戸時代の町並みと文化を再現するテーマパークである。その目玉である忍者ショーは、迫力あるアクションと華麗な殺陣で多くの観客を魅了してきた。近年では、来園者の約8割を韓国、中国、マレーシアなどの外国からの観光客が占め、国際的な注目も集めている。

2024年4月25日から始まる新しい野外アクションショーでは、穴澤さんが女子侍の役に挑戦し、この舞台でデビューを果たす。この新作は、観客を驚かせるダイナミックな演出が見どころだ。

穴澤維穏さんの奮闘

取材当日、舞台で凛々しい立ち姿を見せる維穏さん。まだ19歳の彼女は、子供の頃から「忍者になりたい」という夢を追い続け、忍者演者を目指して登別伊達時代村に入った。「保育園で見た『忍者大図鑑』がきっかけでした。そこからずっと忍者が好きになって、登別伊達時代村に何度も足を運び、忍者ショーに憧れていました」と語る。

高校卒業後、舞台裏での修行を始めた彼女は、熟練した侍の動きから基本を学び、少しずつ演技力を高めていく。今は侍としての修行を経て、徐々に忍者としての表現に取り組む計画だ。

「周囲からは『頑張って！』と言われることが多いです。もっと成長し、堂々と演じられるようになりたいです」と笑顔で語る維穏さん。その意欲的な姿勢は、他の若者たちにも刺激を与えている。

忍者演劇の未来を担う存在

登別伊達時代村で演技指導を行う演出家・山田桂司さんは、忍者演劇の第一人者として、演技における心の大切さを強調する。「忍者は日本の歴史、カルチャーです。絶やしてはいけない」との覚悟で、若い才能を育てることに焦点を当てている。「維穏さんのような若者を育てる覚悟があれば、未来は作れると信じています」と語り、その重要性を語った。

実際、登別伊達時代村における忍者アクションショーは、観光客に認識される新たなエンターテインメントとして、今後の可能性が広がる。山田さんは「言葉に頼らない“ノンバーバル”な舞台」を増やし、演技の普遍性を追求している。

忍者という文化を繋ぐ

神保利行さん、芸能部座頭は、「忍者は観光地でありながら、人が育つ場所」と話す。特に現在、若手が少なくなり、忍者の伝承が難しい中、維穏さんの存在は大きな希望だ。彼女が若い女優として舞台に立つことで、他の若者たちとコミュニティの強化に貢献できる。そして、忍者という文化を次世代へと引き継ぐ役割を担っている。

登別伊達時代村は、ただの観光地ではなく、文化を育む土壌であり、その上で新たな才能が育まれていく場である。今回の穴澤維穏さんの挑戦は、未来の忍者たちにとっての希望の光として輝いている。これからの展開に期待が高まる。私たちは、彼女の成長を見守り、新たな忍者像を楽しみにしたい。