ワークマンが新たな挑戦に乗り出す
ワークマンは、710億円規模の「ワーク強靭化計画」を推進し、作業服市場でのリーダーシップを維持しながら、さらなる成長を目指しています。群馬県伊勢崎市に本社を構える同社は、既存の作業服店舗の中に一般客向けの新業態「Workman Colors」を展開し、全1105店舗の広がりを見せています。しかし、一般客向け店舗の躍進に伴い、主力の作業服のイメージが薄れつつありました。これを払拭するため、2024年4月からの新たな戦略を打ち出しています。
710億円規模の強靭化製品
「ワーク強靭化計画」では、作業服市場での圧倒的な競争力を復活させるために、サプライチェーンを再構築しました。競合が真似できない低価格を実現するため、加工貿易を活用し、業界では他に類を見ない安価な作業服を売り出すことに成功しました。具体的には、4400円の上下セット作業服を3400円に値下げしつつ、利益は5割増加。これは、インフレに直面する作業客だけでなく、加盟店にも喜ばれる結果をもたらしました。
加工貿易では、主に中国から生地や副資材を調達し、東南アジアの縫製工場で製造します。生産量が50万着を超える場合、価格引き下げ効果が顕著に現れるのも特徴です。この手法を用いることで、ワークマンは圧倒的なコスト競争力を持つ製品を手に入れ、他社との差別化を図りました。
高グレード作業服への挑戦
2025年4月には「EXILE」とのコラボレーションから誕生した高グレードな作業服がラインアップに加わる予定です。この高級路線はワークマンにとって新たな挑戦であり、国民的アーティストのCM投入により販売額が伸び悩むことなく、逆に上昇する結果となったのです。この動きによって、既存の低価格戦略を新たな視点で再評価し、高スペック市場での注文を得る道筋が模索されています。
独自素材XShelterと熱中症対策製品
ワークマンの強靭化製品の中で特筆すべきは、独自の断熱素材「XShelter」です。この素材は世界初の高機能断熱シートを使用しており、寒暖差に悩む作業環境に対応した革新的な製品群を提供しています。XShelter製品は元々作業用として開発されましたが、一般客からも支持を受け、瞬く間に人気を博しました。
また、熱中症対策として開発されたファン付きウェアやペルチェ半導体冷房服も、 現在の市場において確立した地位を築いています。これらの製品は、企業の熱中症対策が法的に義務化されている背景も相まって、急成長を見せています。
新たな本業の強化と製品展開
今後の1年間で710億円規模の強靭化製品を展開する中で、作業系製品が全店売上2092億円の中で1300億円を占める見込みです。これにより、高品位な作業服やXShelter製品、熱中症対策製品など、強靭化製品が全作業製品の半数以上を担う計画です。
商品群としては、加工貿易による作業服が180億円、EXILEとのコラボによる作業服が80億円、XShelterに関連する製品が250億円、熱中症対策の製品が200億円となっています。これにより、ワークマンの強靭化計画は、従来のイメージを一新し、新たな成功を手にするための戦略を打ち出しています。「俺たちのワークマンはどこへ行った」といった声があるものの、既存店では専用品と兼用品が9割を占めているため、批判は的外れなものとなっています。しかし、実際には本業を強化するための施策を着実に進めているのです。
新しい商品の登場を待ち望む声が高まる中、ワークマンは次世代の作業服の展開や独自素材の製品を市場に投入することで、さらなる成長を目指していくでしょう。