リスト音楽院創立150周年記念展覧会の魅力と見どころ

蘇る150年の響き ― リスト音楽院の秘められた物語

この冬、リスト・ハンガリー文化センター（東京・麻布十番）にて、リスト音楽院が創立150周年を迎えるのを祝う特別展が開催されます。本展は「蘇る150年の響き ― リスト音楽院の秘められた物語」と題し、12月10日（水）から3月31日（火）までの期間、リスト音楽院の豊かな歴史を紹介します。

音楽院の歴史をたどる貴重な資料の数々

この展覧会は、リストやエルケルが活躍した創立期から、バルトークやコダーイが未来の音楽を切り開いた20世紀、さらには現代へと続く音楽の継承を、豊富な資料を用いて紹介します。展示の中でも特筆すべきは、「リスト音楽院ものがたり」として設置される巨大パネルです。
このパネルでは、自筆譜や楽譜のタイトルページなど、秘蔵資料を通してリスト・フェレンツの生涯をじっくりと学べる機会が用意されています。資料一つ一つが、彼の音楽家としての姿や時代の息吹を伝え、訪問者をリストの世界へと引き込んでいくことでしょう。

バーチャルツアーで音楽院の内部を体験

魅力的な体験の一つは、「音楽院バーチャルツアー」です。美しいアール・ヌーヴォー様式の校舎やその大ホールをリアルに体感できるこのツアーでは、自身がまるでその地を歩いているかのように、リスト音楽院の歴史と雰囲気を感じることができます。音楽院の大ホールに座っているかのような臨場感を共有しながら、150年にわたる音楽の足跡を辿るワクワク感を味わえるでしょう。

このツアーは、会館日の金曜日に随時開催され、予約は不要です。所要時間は約15分となっており、気軽に参加できるイベントとなっています。

リストとベヒシュタインを結ぶ特別展示

また、特に注目すべきはリストが愛したベヒシュタイン・ピアノの展示です。このピアノは、リストの弟子であるハンス・フォン・ビューローによって初演された作品に使われたもので、その歴史とともに展示されます。特別コンサートも予定されていて、ハンガリー政府の奨学生である天川真奈氏がベヒシュタイン・ピアノを演奏する機会も設けられています。リストの音楽とピアノの響きを直接体験できる貴重な機会です。